4部門の分散で、景気局面によって異なる事業が稼ぐバランス型。医薬品の大手(Pfizer、Merck)のような「特許クリフ」のリスクは小さく、医療機器の Medtronic のような単一セクター集中もない。
確立済み医薬品(新興国向けブランド・ジェネリック)、診断機器、栄養食品(Similac、Ensure)、医療機器(FreeStyle Libre、心血管ステント、神経刺激装置)の4部門体制。2025年11月にはがん診断大手 Exact Sciences の買収を発表、診断領域を強化。
FreeStyle Libre が競合(Dexcom G7)にシェアを奪われると、成長率が鈍る。新興国通貨の大幅下落で海外売上が目減り。大型買収の統合コストと負債増加が利益率を圧迫する局面もある。保険償還条件の変更は急ブレーキになり得る。
50年以上にわたる増配を続ける「配当王」。キャッシュフローが安定し、積極的な自社株買いと買収を両立。AbbVie を2013年にスピンオフして以降、医療機器・診断・栄養に事業を絞った再構築が続く。
先進国の医療機器需要と、新興国の医薬品・栄養食品需要。FreeStyle Libre の持続血糖測定器がここ数年の成長ドライバーで、競合 Dexcom との競争と保険償還の条件が業績を左右する。2022年の乳児用ミルクリコールのような品質問題がサプライズ要因。
この会社をどう読むか
Abbott Laboratories は「大型ヘルスケアの教科書」として位置づけやすい。
新薬の特許切れに振り回される純粋な製薬会社と違い、医療機器・診断・栄養という多角化で業績が安定する構造。中でも FreeStyle Libre は糖尿病領域の継続的な成長エンジンで、会員経済圏のように装着者が増えるほど消耗品(センサー)の売上が積み上がる。配当王としての一貫性と、新興国への医薬品アクセスを組み合わせた分散モデルが、この銘柄の性格の核心。
バランスシート (要約)
資産 $86.7B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $52.1B(60%)。
借金が軽く手元資金も厚い。安全度は最高水準
- 現金・現金同等物$8.5B
- 他の流動資産$17.5B
- 固定資産$60.7B
- 流動負債$16.5B
- 長期借入金$9.9B
- 短期借入金$3B
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $44.3B
- 売上成長率
- 5.7%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- 18.2%
- 純利益率
- 14.7%
- ROE
- 12.5%
- ROIC
- 9.8%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $9.6B
- フリーCF
- $7.4B
- 営業CFマージン
- 21.6%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $4.1B
- 配当性向
- 63.1%
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