EPSM
Epsium Enterprise創業者のSon I Tam氏は、レミーマルタンとマッカランの当時の総代理店Remflyでマカオ向けの販売戦略を担った経歴を持つ。偽造品の出回りやすい高級酒の分野で、この経歴が仕入れ先との関係をつないでいる。
子会社Luzを通じ、中国の白酒やフランスのコニャック、スコッチウイスキーを輸入し、マカオの流通網へ卸す。自ら卸売業者と名乗るとおり、長期の供給契約を持たず、その都度まとまった量を市場で買い付ける立場にある。
仕入れ先とも卸し先とも長期の取り決めがないため、取引の継続は毎年の関係次第になる。2025年10月に設けた子会社Media Iconは事務所も人員も持たない持株会社で、酒の卸以外の収益源はまだ何も育っていない。
2025年8月の株主総会で定款を組み替え、発行済みの普通株はすべて1議決権のクラスAへ、未発行だった優先株は1株20議決権のクラスB株へ再分類した。議決権を集める器を先に用意した形になる。
白酒とコニャックとウイスキーの3種で売上の大半を賄ってきたが、2025年度はワインが売上の20.77%まで伸び、扱う酒の顔ぶれが年ごとに揺れる。事業はマカオ一都市に限られ、観光とカジノの客足がそのまま仕入れと販売の量を決める。
この会社をどう読むか
Epsium Enterpriseは、マカオでワインや白酒を売る小さな卸会社にしか見えない。だが会社の実体に近いのは、創業者Son I Tam氏が業界で積んだ15年以上の関係そのものだ。2010年に興したLuzを通じ、正式な長期契約を持たない卸売業者として、仕入れも販売もその都度の商談で回してきた。
強さの出どころと脆さの出どころが同じ場所にあるのが、この会社の性格になる。取引が人の関係で成り立つ以上、代替わりや競合の参入で崩れる余地を常に抱える。2025年に設けた新子会社はまだ何も動いておらず、酒の卸という単一事業はいまも一本のままだ。
財務データ
この銘柄は SEC の米ドル建て年次データが取得できないため、財務の数字を表示していません。 外国企業などで決算を米ドル以外の通貨で開示している場合、通貨を取り違えたまま 載せるより表示しない方が誠実だと考えています。原文は下の関連タブから SEC EDGAR で確認できます。
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