IIIV
i3 Verticals決済処理会社と医療債権回収を2024年と2025年に相次いで手放し、公共部門ソフトウェア1本に絞った。全米50州とカナダに導入実績を持ちながら、自治体・裁判所・学校という狭い持ち場だけに人と資金を集めている。
裁判所、公共料金、税、学校給食といった自治体の窓口業務を、クラウド型のソフトウェアと組み込みの決済機能で処理する。売上の76%はソフトウェアの利用料や決済手数料という繰り返しの収入で、単発の販売ではない。
税や住民の個人情報を預かる立場ゆえ、情報漏えいの代償は大きい。実際にルイジアナ州の行政機関と法執行機関から、情報管理の不備を理由に子会社が提訴された経緯がある。Tyler Technologiesのような資金力のある競合も同じ公共分野を狙っている。
買収を重ねて事業を広げてきた経営陣が、直近では逆に切り出す側に回った。手元の資金は、残った1事業の統合と製品への投資に向けている。
自治体や学校が既存システムを入れ替える判断をするかどうかで、成長の速度が決まる。導入までの手続きは長く、契約が動くペースは民間向けソフトウェアより遅い。
この会社をどう読むか
i3 Verticalsを中小企業向けの決済処理会社だと思って見ると、いまの決算とはかみ合わない。
2024年9月に決済処理事業を約$439.5Mで、2025年5月には医療機関の債権回収事業を$96.3Mで、それぞれ別の買い手に売却したためだ。残ったのは自治体・裁判所・学校向けのソフトウェア事業だけで、決算の区分も1セグメントに縮んだ。持ち場を絞ったぶん、公共部門特有の遅い意思決定のペースが、そのまま業績のペースになる。
バランスシート (要約)
資産 $638M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $390M(61%)。
借金が軽く手元資金も厚い。安全度は最高水準
- 現金・現金同等物$67M
- 他の流動資産$71M
- 固定資産$501M
- 流動負債$71M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $213M
- 売上成長率
- 11.5%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- 1.8%
- 純利益率
- 8.4%
- ROE
- 4.6%
- ROIC
- 0.8%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $6M
- フリーCF
- $4M
- 営業CFマージン
- 2.7%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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