IMSR
Terrestrial Energy新型炉の開発会社の多くが許認可の列に並ぶなか、この会社は通常の政府調達より速い協定の枠組みで実証炉の建設へ進んだ。希少な高濃縮燃料ではなく、調達しやすい標準的な濃縮度の燃料を選んだことも、燃料の奪い合いから距離を置く判断になっている。
2025年12月期の売上高はゼロで、いまのところ稼ぐ仕組みはまだ立っていない。代わりに手にしたのは米エネルギー省との二本の協定で、実証炉と燃料生産施設それぞれの建設に進む枠組みを得ている。
売上がないまま研究開発費は前年比89%増、管理費は242%増と膨らんでおり、資金の先細りがそのまま経営の危機になる。政府の実証事業への選定は時々の政策方針に紐づいており、優先度が下がれば計画は止まる。溶融塩方式は実際に発電した実績がまだ乏しい。
手がけているのは事業の運営ではなく、枠組みの獲得と資金繰りの二つだ。上場から日の浅い会社らしく、次の協定と次の増資が経営陣の日々の議題になっている。
協定に基づく実証炉と燃料施設の建設が予定どおり進むか、燃料となる標準的な濃縮度のウランを実際に調達できるか、そして開発を支える追加資金を集められるかにかかる。事業に選ばれたのは入口に過ぎない。
この会社をどう読むか
Terrestrial Energy が上場したのは2025年10月、特別買収目的会社との合併によってだった。その前後の動きは速い。同年8月に米エネルギー省の先進原子炉の実証事業、9月に先進核燃料の実証事業と、立て続けに米政府の枠組みへ選ばれている。
開発しているのは、核燃料を高温の溶融塩に溶かし込んで使う小型原子炉だ。燃料には調達しやすい標準的な濃縮度のウランを選び、希少な燃料の奪い合いを避ける設計にしている。2026年1月には米エネルギー省と協定を二本結び、実証炉と燃料施設の建設枠組みを得た。一方で2025年12月期の売上高はゼロ、研究開発費は89%、管理費は242%も膨らんだ。案件を掴む速さと、現金の減る速さが同時に進んでいる会社だ。
バランスシート (要約)
資産 $303M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $295M(98%)。
本業は黒字だが、設備投資が大きく手元の現金は流出している段階
- 現金・現金同等物$97M
- 他の流動資産$202M
- 固定資産$3M
- 流動負債$6M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率。
収益性 (TTM)
- 売上高
- —
- 売上成長率
- —
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- —
- 純利益率
- —
- ROE
- −9.5%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- −$16M
- フリーCF
- −$18M
- 営業CFマージン
- —
- 現金ランウェイ
- 約6年
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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