MERC
Mercer International競合の古い工場は余剰電力や化学品を売れるだけの設備を持たないが、この会社は4工場すべてに発電機を備え、パルプ価格と無関係な収入を積んでいる。ロゼンタール工場のリグニン試験設備やピースリバー工場の炭素回収実証など、副産物をさらに商品へ変える試みも並走する。
木材を薬品で煮て繊維を取り出し、市場で売買される針葉樹漂白クラフトパルプ(NBSK)を年200万トン規模で生産して世界の製紙会社へ売る。製材やCLTなどの木材建材も別部門で扱う。蒸解で出る黒液を燃やした自家発電の余剰は電力会社へ流し、2025年は電力と化学品だけで$82M弱を得た。
相場が下げても大型工場は止められず、固定費が利幅を食う。木材と輸送費の上昇に加え、ドイツで唯一の市場向けパルプ生産者として抱える電力・排出規制の負担も重い。買い足した製材と木材建材の部門は北米の住宅需要に連動し、パルプとは別の波を持ち込む。
市況産業でありながら配当を切らさず、2021年以降は$397Mを投じて製材や大断面木材の拠点を買い足してきた。単一商品の会社から抜け出すための買収が、経営の主な打ち手になっている。
世界のパルプ市況がほぼそのまま損益になる。工場がドイツとカナダにあって売値はドル建てなので、ユーロとカナダドルの為替と、現地で買う木材チップの価格も収益を動かす。
この会社をどう読むか
パルプ工場は、木を薬品で煮て繊維を取り出す過程で黒液という濃い副産物を出し、それを燃やすことで工場が使う以上の電気を作る発電所でもある。
Mercerの4工場はその余りを電力会社や化学品の買い手へ売り、2025年だけで$82M弱を得た。パルプ相場が下がってもこの収入はほとんど動かず、市況一本に見える会社の足元へ薄い床を敷いている。床に厚みが出るかどうかは、2021年以降に買い足した製材と大断面木材の部門が育つか次第だ。
バランスシート (要約)
資産 $2B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $68M(3%)。
本業は赤字で現金を減らしている段階。手元現金は約2年分
- 現金・現金同等物$187M
- 他の流動資産$679M
- 固定資産$1.2B
- 流動負債$284M
- 長期借入金$1.6B
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $1.9B
- 売上成長率
- −8.6%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- −21.3%
- 純利益率
- −26.7%
- ROE
- −731.5%
- ROIC
- −18.8%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $9M
- フリーCF
- −$80M
- 営業CFマージン
- 0.5%
- 現金ランウェイ
- 約2年
配当
- 配当総額(年間)
- $10M
- 配当性向
- —
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