
MXCT
MaxCyte細胞に物質を送り込むという一工程だけに的を絞り、200件を超える登録特許でその一点を守っている。公的な研究機関から大手製薬まで顧客の幅があり、一社の成否に全部を賭けずに済む。
電場で細胞膜を一時的に開き、遺伝物質などを細胞の中へ送り込むフローエレクトロポレーション技術を核に、装置群ExPERTと専用の消耗品を売る。加えて32社と結んだライセンス契約では、顧客の治療薬が承認された時点で追加の支払いを受け取る。
顧客である創薬会社の開発が滞ると、消耗品の売上と将来の承認時払いが同時に細る。承認時払いは実を結ぶまで何年もかかり、途中で開発が打ち切られれば何も残らない。
装置と消耗品で足元の収入を確保しながら、承認時払いを気長に積み上げる二段構え。2025年1月には遺伝子編集の外れた作用を評価するSeQure Dxを買い、工程の隣にも手を伸ばした。
細胞治療を手がける会社の数と、そのなかでExPERTが選ばれ続けること。さらに、ライセンス契約を結んだ顧客の開発が承認まで到達するかどうかで、将来の受け取りが決まる。
この会社をどう読むか
2023年12月にFDAが承認した、体の外で細胞を加工する初めての治療。その製造工程には、MaxCyteの技術が使われていた。ただし承認を取ったのは同社ではなく、装置を使っていた顧客のほうだ。
この会社が売っているのは薬ではなく、薬を作る途中で細胞に遺伝情報を送り込む装置と消耗品にすぎない。ただし契約には仕掛けがあり、顧客の薬が承認されると追加の支払いが発生する。今日の売上は装置から、明日の売上は顧客の成功から。二つの時間軸を同時に抱えている。
バランスシート (要約)
資産 $203M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $171M(85%)。
本業は赤字で現金を減らしている段階。手元現金は約1年未満分
- 現金・現金同等物$20M
- 他の流動資産$98M
- 固定資産$84M
- 流動負債$14M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $33M
- 売上成長率
- −14.5%
- 粗利率
- 81.2%
- 営業利益率
- −157.1%
- 純利益率
- −135.1%
- ROE
- −26.0%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- −$34M
- フリーCF
- −$36M
- 営業CFマージン
- −104.2%
- 現金ランウェイ
- 1年未満
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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