PHR
Phreesia予約や問診の画面を持つ会社は多いが、そこに保険の適用確認と支払い、製薬会社向けの情報配信まで重ねた例は少ない。患者が最も真剣に画面を見る瞬間を押さえていることが、そのまま値打ちになっている。
収入は三本ある。医療機関から毎月受け取る利用料、患者の支払いを処理する決済と分割払いの手数料、そして製薬会社などが患者に情報を届けるNetwork Solutionsだ。
決済の収入は年明けの2〜3カ月に偏る。患者の自己負担額が1月に上限までリセットされ、窓口で払う額が増えるためで、この山が小さい年は一年の収支が読みにくくなる。患者の医療情報を預かる以上、漏えいは信頼を直接削る。
手元の資金は株主還元ではなく機能の買い足しに向ける。医療費専用のカードを持つAccessOneを取り込み、受付の道具だった仕組みを病院の資金繰りを助ける側へ寄せてきた。
導入した医療機関が使い続けるかと、その医療機関に来る患者の数で規模が決まる。直近年度はこの仕組みを通った来院が約1.8億件で、米国の外来のおよそ6件に1件にあたる。
この会社をどう読むか
Phreesiaは2005年に生まれ、2019年7月に上場した。始まりは待合室のタブレットだが、いま同社が扱っているのは患者が病院に着いてから支払いを終えるまでの一連の流れそのものだ。
面白いのは季節の癖で、決済からの収入は年明けに膨らみ、製薬会社向けの収入は下半期に寄る。理由は前者が患者の自己負担のリセット、後者が製薬会社の販促予算の周期にあり、どちらも医療機関の都合ではない外側のカレンダーで動いている。
バランスシート (要約)
資産 $664M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $337M(51%)。
本業は赤字で現金を減らしている段階。黒字化の道筋が焦点
- 現金・現金同等物$74M
- 他の流動資産$206M
- 固定資産$384M
- 流動負債$183M
- 長期借入金$3M
- 短期借入金$8M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $481M
- 売上成長率
- 14.5%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- −1.4%
- 純利益率
- 0.5%
- ROE
- 0.7%
- ROIC
- −1.5%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $79M
- フリーCF
- $68M
- 営業CFマージン
- 16.4%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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