RNA
Atrium Therapeuticsウイルスや脂質ナノ粒子ではなく、TfR1という受容体を狙う抗体でRNAを運ぶ設計を採る。同じ抗体を心筋向けの各プログラムで使い回せるため、2本目以降の開発費と時間を圧縮できる。
まだ収益はない。抗体を運び手にしてRNAを狙った組織へ届ける技術をAvidityから引き継ぎ、心臓の筋肉に届ける方向へ絞って開発している。初期の候補はATR 1072とATR 1086の2本で、PRKAG2症候群とPLN心筋症という、いずれも承認薬のない遺伝性の重い心筋症を狙う。
臨床に入っていない候補が2本しかなく、第1相でつまずけば代わりの手札がない。狙う病気はどちらも患者数が少なく、承認まで届いても市場は小さい。持たされた$270Mも臨床が長引けば尽き、増資による希薄化がのしかかる。
Avidity出身者が多くを占める経営陣が、心臓に的を絞った2本を臨床へ入れることに資源を集中させる。持参金の$270Mをどこまで持たせられるかが、実力の見せどころになる。
頼りは、抗体でsiRNAを心筋へ運ぶという技術がヒトでも成り立つかどうか。Avidityでは同じ技術が筋肉への到達を実証しているが、心臓で通用する証拠はこれから第1相で取りにいく段階にある。
この会社をどう読むか
ノバルティスがAvidity Biosciences を買収する際、心臓向けの初期プログラムだけが対象から外された。それが株主に配られ、Atrium Therapeutics になった。
引き継いだのは、抗体を運び手にしてRNAを狙った組織へ届ける技術と、$270Mの現金、そしてAvidityで同じ技術を動かしてきた人材だ。心臓の筋肉へ届ける方向に絞り、PRKAG2症候群とPLN心筋症という承認薬のない遺伝性の心筋症を狙う2本を用意した。まだどちらも臨床の入口に立っておらず、この技術が筋肉だけでなく心臓でも通用するかが、すべてを決める。
財務データ
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