
SABS
SAB Biotherapeutics細胞培養で抗体を作るのが主流の業界で、生きた牛そのものを生産設備として使っている。この基盤で作られた抗体はこれまでに約800人へ投与されており、SAB-142の第1相では血清病も中和抗体も確認されていない。
承認された製品はまだなく、価値のほぼすべてが開発中の候補にかかっている。主力のSAB-142は、1型糖尿病の発症を遅らせ進行を止めることを狙う抗体医薬だ。ウサギ由来の抗胸腺細胞グロブリンと同じ作用機序を、ヒト型で再現しようとしている。土台にあるのはTc-Bovineと呼ぶ遺伝子組み換え牛で、ヒトの血漿提供者に頼らずヒト免疫グロブリンGを大量に作れる。
承認薬を持たない臨床段階の会社であり、試験が一つ転べば企業価値はそのまま落ちる。牛を生産設備に使う方式は前例が乏しく、規制当局や医療現場にどこまで受け入れられるかも確かめきれていない。資金は増資に頼らざるを得ず、希薄化は続く。
一つの生産基盤を軸に、1型糖尿病を先頭として自己免疫疾患へ広げる構想を掲げつつ、当面の資源はSAB-142の試験に絞り込んでいる。
2024年5月にFDAの治験開始許可を得て、2025年に第1相の良好な結果を公表し、同年第3四半期に登録試験となる第2b相SAFEGUARDを開始した。この試験の結果と、そこまで走り切るための資金が会社の全てを決める。
この会社をどう読むか
SAB Biotherapeuticsの生産設備は、培養タンクではなく牛だ。ヒトの免疫グロブリンを作れるように遺伝子を組み換えた牛の体内で、抗体そのものを育てている。
利点は、ヒトの血漿提供者を必要とせず、複数の標的に結合する抗体をまとめて量産できることにある。第2b相のSAFEGUARD試験が1型糖尿病でどんな結果を出すかに、会社の値段のほぼ全部がかかっている。前例のない生産方式であるぶん、規制の側の判断もまだ固まっていない。
バランスシート (要約)
資産 $173M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $151M(88%)。
本業は黒字だが、設備投資が大きく手元の現金は流出している段階
- 現金・現金同等物$11M
- 他の流動資産$91M
- 固定資産$72M
- 流動負債$11M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $0
- 売上成長率
- −100.0%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- —
- 純利益率
- —
- ROE
- 8.8%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- −$45M
- フリーCF
- −$46M
- 営業CFマージン
- —
- 現金ランウェイ
- 1年未満
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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