買収資金を作るために、自社の天然ガス貯蔵会社2社の売却を検討している。規模を広げながら手持ち資産を手放すという、公益事業では珍しい組み合わせを選んでいる。
ミズーリ州とアラバマ州で、それぞれ州内最大の都市ガス配給会社を持つ。ミズーリだけで約120万件、アラバマで約40万件の家庭や事業所に配り、当局の認可した料金で回収する。これにガスの卸売りと、パイプラインや貯蔵の中流事業が乗る。
料金は認可の枠を超えて上げられないため、費用が先に膨らむと利益を削る。買収を支えるつなぎ融資の金利負担はすでに出ており、恒久的な資金調達が計画どおり運ばなければ負担は増す。暖冬が続けば家庭の暖房需要が細り、収入が落ちる。
安定配当を続けつつ、借入と増資と資産売却を混ぜて買収資金を組む。約1,970人が労働協約の対象で、会社は労使関係を良好だとしている。
2025年7月、デューク・エナジー傘下のPiedmont Natural Gasとテネシー州事業の買収契約を結んだ。ナッシュビル周辺で20万件超を抱える事業を$2.48Bで取る話だ。完了にはテネシー州公益事業委員会の認可が要る。独禁法上の待機期間は異議なく満了し、ガス供給契約の移管もFERCが認めた。
この会社をどう読むか
暖房用のガスを配るだけの静かな会社、という印象は2025年で少しずれた。デューク・エナジーの子会社からテネシー州の都市ガス事業を$2.48Bで買う契約を結び、ミズーリ・アラバマに続く3州目の足場を取りにいったからだ。
面白いのは資金の作り方で、その原資の一部として自社の天然ガス貯蔵会社を手放すことを検討している。認可料金で稼ぐ規制事業を厚くする代わりに、相場に左右される中流資産を減らす形になる。買収が2026年前半に閉じるかどうかが、当面の一番の焦点だ。
バランスシート (要約)
資産 $11.6B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $3.4B(29%)。
本業は黒字だが、設備投資が大きく手元の現金は流出している段階
- 現金・現金同等物$6M
- 他の流動資産$802M
- 固定資産$10.8B
- 流動負債$2.5B
- 長期借入金$3.4B
- 短期借入金$488M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $2.5B
- 売上成長率
- −4.5%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- 21.2%
- 純利益率
- 11.0%
- ROE
- 8.0%
- ROIC
- 4.8%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $578M
- フリーCF
- −$344M
- 営業CFマージン
- 23.3%
- 現金ランウェイ
- 1年未満
配当
- 配当総額(年間)
- $182M
- 配当性向
- 67.1%
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