
TCRX
TScan Therapeutics先に的を決めて薬を組み立てるのではなく、免疫細胞が実際に掴んでいる的を洗い出してから設計する。この探索そのものをAmgenのような大手に提供できることが、臨床段階のバイオとしては珍しい。
治療薬の売上はまだなく、いまの入金の中心は提携金だ。標的探索の技術をAmgenに提供する契約で$30Mの一時金を受け取り、開発と販売の成果に応じて$500M超のマイルストーンを受け取れる。自社開発では血液がんのTSC-101が最も先を走る。
患者ごとに免疫細胞を作り変える製造は手間も費用もかさみ、量を増やしにくい。試験成績が振るわなければ開発計画ごと組み直しになる。売上がない間は増資による希薄化も続く。
FDAと承認への道筋で合意した直後、固形がんのPLEXI-T試験は新規登録を止めた。外した側は前臨床の研究へ戻し、限られた資金を一本に寄せる決断が早い。
TSC-101の臨床成績と、2025年第4四半期にFDAと合意した承認への道筋が崩れないこと。売上のない期間を持ちこたえる資金調達も、同じ重さで効いてくる。
この会社をどう読むか
TScan Therapeuticsが最初に外へ売ったのは、薬ではなく標的を探す技術のほうだった。免疫細胞ががん細胞を見分けるときに掴んでいる的を、狙いを絞らずに洗い出す。この探索をAmgenのクローン病研究に提供し、$30Mの一時金をすでに受け取っている。
同じ技術で自社が仕上げにかかっているのが、血液がんの移植後に残る病を叩くTSC-101だ。2025年第4四半期にFDAと承認への道筋で合意すると、並行していた固形がんの試験は新規登録を止めた。的を広く探せる技術を持ちながら、薬にする段では狙いを一つに絞る。その線引きの早さが、この会社の身の丈の測り方をよく表す。
バランスシート (要約)
資産 $229M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $123M(54%)。
本業は黒字だが、設備投資が大きく手元の現金は流出している段階
- 現金・現金同等物$152M
- 他の流動資産$5M
- 固定資産$72M
- 流動負債$19M
- 長期借入金$33M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $10M
- 売上成長率
- 266.7%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- —
- 純利益率
- —
- ROE
- −105.4%
- ROIC
- −68.9%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- −$135M
- フリーCF
- −$140M
- 営業CFマージン
- −1310.6%
- 現金ランウェイ
- 約1年
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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