出版事業でありながら資産運用会社の収益持分も併せ持つ二重構造をとる。加えて支配株主が発行済み株式の9割超を握っており、上場会社としては異例に近い株主構成になっている。
株式や投資信託に独自の格付けをつけた調査を、購読料で売る。買い手は個人の投資家と図書館、運用会社で、主力は週刊誌Value Line Investment Surveyになる。あわせて、系列の資産運用会社EAMへの非議決権の収益持分から、配分も受け取る。購読料と運用会社からの配分という、二つの収入源を持つ出版社の形になっている。
無料の株式情報やネット証券の分析ツールとの競合で、紙と電子いずれの購読者も先細りやすい。指数に連動する投資が個人にまで広がるほど、個別銘柄を1社ずつ読み解く調査そのものの需要が細っていく構造的な圧力を抱える。系列の資産運用会社からの配分は、相場が悪ければ細る。
創業者の名を冠する非公開会社AB&Co.が9割超を握るため、経営の独立性より支配株主の意向が強く働く構造にある。老舗の購読基盤を背景に、配当は手厚く維持する方針が続く。
収入の太さを決めるのは購読者数の維持と、系列の資産運用会社の運用成績である。加えて、独自の格付けが投資家に信頼され続けるかどうかが土台になる。
この会社をどう読むか
発行済み株式の91.74%は、創業者の名を冠する非公開会社AB&Co.が握っている。Value Lineは上場会社でありながら、実質は非公開に近い。1982年にニューヨークで法人化されたこの出版社は、週刊誌Value Line Investment Surveyをいまも発行し続けている。
収益は購読料だけではない。系列の資産運用会社EAMに非議決権の持分を持ち、その運用収益からも配分を受け取る。指数に連動する投資が広がるほど個別銘柄の調査需要は先細りやすいが、老舗の購読基盤と運用会社からの配分という二枚看板が、これを下支えしている。
バランスシート (要約)
資産 $152M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $108M(71%)。
開示から読める範囲では借金は軽い
- 現金・現金同等物$24M
- 他の流動資産$65M
- 固定資産$63M
- 流動負債$23M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $33M
- 売上成長率
- −4.7%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- 12.1%
- 純利益率
- 64.7%
- ROE
- 20.0%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $19M
- フリーCF
- $19M
- 営業CFマージン
- 55.6%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $12M
- 配当性向
- 56.5%
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