BIO
Bio-Rad Laboratories研究用と臨床検査用の両方に装置と試薬を並べる会社は多くない。さらにSartorius株という社外の資産が損益に直接乗るため、決算表が事業会社と投資家の帳簿を重ねた形をしている。
研究機関向けのライフサイエンス部門が2025年の売上の約4割、病院向けの臨床診断部門が約6割を占め、装置を入れた後に試薬と消耗品が繰り返し売れる。これとは別に、ドイツの実験・バイオ生産装置大手Sartoriusの普通株を約38%持ち、その時価評価が営業外の損益として毎期乗る。
研究予算が絞られると装置の新規導入が止まり、後に続く消耗品の伸びも鈍る。ただし決算をより大きく揺らすのはSartorius株のほうで、株価が下がれば本業の出来とは無関係に評価損が純利益を削る。
Sartorius株を売れば巨額の現金が入るが、経営陣はその道を長年選ばず、保有を続けたまま研究開発へ再投資してきた。含み益も本業の稼ぎも社外に出さず、次の装置と試薬の開発に回す形が続いている。
研究機関と製薬会社の実験予算、そして病院の検査件数が消耗品の回転を決める。加えてSartorius株の時価が効き、2025年末の評価額は$5.67B、その値付けはフランクフルト市場に委ねられている。
この会社をどう読むか
Bio-Rad の決算を装置と試薬の売れ行きだけで読もうとすると、毎期の純利益が説明できなくなる。ドイツのSartoriusの普通株を約38%持ち、2025年末で$5.67Bに達するその含み損益が、そのまま損益計算書に乗るからだ。
本業のほうは、装置を据えれば試薬と消耗品が繰り返し売れ、売上の約6割を病院の臨床検査が占める堅い商売だ。その静かな積み上げの上に、フランクフルト市場の株価という自分では動かせない変数が重なっている。
バランスシート (要約)
資産 $10.6B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $7.5B(70%)。
借金が軽く手元資金も厚い。安全度は最高水準
- 現金・現金同等物$530M
- 他の流動資産$2.4B
- 固定資産$7.7B
- 流動負債$517M
- 長期借入金$1.2B
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $2.6B
- 売上成長率
- 0.7%
- 粗利率
- 51.9%
- 営業利益率
- 1.8%
- 純利益率
- 29.4%
- ROE
- 10.2%
- ROIC
- 0.4%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $532M
- フリーCF
- $375M
- 営業CFマージン
- 20.6%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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