
BSY
Bentley Systems橋や鉄道から鉱山の地下構造まで、インフラの上から下までを一つの会社の設計ソフトで押さえている例は珍しい。買収したSeequentの地質解析ソフトが、道路や建物とは畑違いの鉱業・資源分野の顧客を連れてきた。
共通の設計基盤であるMicroStationの上に、橋や道路、鉄道など用途別のソフトを重ね、技術者が使い続ける分だけ利用料が積み上がる。買収したSeequentが地下の地質データを扱うソフトを供給し、鉱山開発や地盤解析の分野にも稼ぎ口を広げた。
公共予算が絞られる局面では、新規のインフラ計画そのものが止まり、ソフトの新規契約も一緒に鈍る。設計分野に強い競合や、汎用的な設計ソフトへの回帰が起きれば、専門特化の強みが逆に狭さに変わる。
1984年にベントレー兄弟が興した会社という出自を残しつつ、足りない専門分野は会社ごと買い足していく。地質解析のSeequentも、2024年9月に取り込んだ3D地理空間のCesiumもその一例で、開発費はデジタルツインの基盤に寄せている。
分野の内訳がわかる継続収入のうち約6割は道路や鉄道、上下水道といった公共インフラ向けで、各国の公共工事予算の増減が業績の振れに直結する。技術者が図面や解析データをソフトに溜めるほど乗り換えにくくなり、この蓄積が契約の継続率を支えている。
この会社をどう読むか
橋やトンネルを設計する土木の技術者にとって、Bentley Systemsの名前は空気のような存在だ。1984年の創業以来、道路や鉄道、鉱山まで、地上と地下のインフラを設計・管理する専門ソフトを作り続けてきた。
いったん業務に組み込まれると、図面も解析データもソフトの中に溜まっていき、技術者は抜けにくくなる。買収したSeequentの地質解析ソフトは、鉱業という畑違いの顧客まで連れてきた。ただし分野のわかる継続収入の約6割は公共インフラ向けで、各国の工事予算が絞られれば新規導入はすぐ鈍る。
バランスシート (要約)
資産 $3.6B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $1.2B(33%)。
借金と支払い余力のバランスが良く、黒字も安定
- 現金・現金同等物$123M
- 他の流動資産$416M
- 固定資産$3B
- 流動負債$960M
- 長期借入金$1.2B
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E・利息カバー率 (営業利益が支払利息の何倍か)・FCF/有利子負債 (自由に使える現金で借金の何割を1年で返せるか)。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $1.5B
- 売上成長率
- 11.0%
- 粗利率
- 81.5%
- 営業利益率
- 24.1%
- 純利益率
- 18.5%
- ROE
- 23.4%
- ROIC
- 11.7%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $538M
- フリーCF
- $520M
- 営業CFマージン
- 35.9%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $85M
- 配当性向
- 30.6%
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