まだ赤字先行で、将来に賭ける会社
酢酸の世界有数の低コスト生産という、市況が悪くても相対的に勝てる足場が強み。エンプラでは買収で製品の幅を広げ、自動車の電動化に伴う樹脂需要も取り込める。市況と財務の二重苦から、借入の返済と事業の選別で立て直しを進める途上にあり、回復すれば評価の戻りが大きいタイプの化学大手の立ち位置にいる。
酢酸とその誘導品という基礎化学品の製造と、自動車や電子機器に使う高機能なエンジニアリングプラスチック(エンプラ)の販売が収益の柱。酢酸では世界有数の低コスト生産体制を持ち、塗料や接着剤の原料として幅広く売る。エンプラは自動車部品などに加工されて使われる。基礎化学品と高機能樹脂の二本柱で稼ぐ構造になっている。
化学品の市況が悪化し、酢酸やエンプラの価格・数量が落ちると、採算が一気に悪化する。最大の重荷は大型買収で膨らんだ借入で、市況の低迷が続くと利払いと格付けが圧迫され、実際に減配に追い込まれた経緯がある。自動車生産の不振や、中国の需要減速、エネルギー高も直撃する。
配当を抑え、資金を借入の返済と、コスト削減、事業の選別に振り向ける立て直し志向の経営。酢酸の低コスト体制を守りながら、買収で膨らんだ財務を整理し、市況の回復を待ち受ける体勢を作る。再建の進み具合がそのまま評価につながる方針が特徴になっている。
化学品の市況と、自動車・建設の需要、原料・エネルギー費、借入の返済に依存する。酢酸の需給と価格が保たれるか、自動車生産が活発でエンプラが売れるか、原料の天然ガスなどを安く調達できるか、そして大型買収で膨らんだ借入を返済できるかが、業績を左右する大きな前提になる。
資産 $21.7B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $4B(19%)。
本業は赤字で現金を減らしている段階。黒字化の道筋が焦点
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