CVLT
Commvault Systemsデータを保管する道具ではなく、攻撃を受けた後に汚れていない復元点を探し当てる道具として作り込んでいる。クラウド上に隔離した復旧先を用意し、事故対応の手順を平時から試させるところまで踏み込んだ。
顧客企業のデータを複製して隔離するソフトを、自社設備向けの買い切り、月額課金のクラウド版、専用アプライアンス機器の3通りで届ける。近年は Commvault Cloud に寄せ、攻撃を受けた後に汚れていない復元点を自動で確かめる機能に課金が集まっている。
大手クラウド事業者が標準機能としてバックアップと簡易な復旧を組み込むと、単独製品を買う理由が薄れる。復旧の速さや検証の精度で見劣りする事故が一件でも表に出れば、企業向けの大型商談から足元をすくわれる。
直販を抱え込まず、Arrowや販売代理店、クラウド事業者を通じて届ける間接販売の形を保っている。開発の力は Commvault Cloud への一本化に注ぎ、買い切りソフトの会社から常時課金の会社へ売り方そのものを作り替える途中にある。
売上の3割強はArrow Electronicsの販売子会社を通す間接販売で、この一本の販路が細れば数字に直に響く。ランサムウェア被害の増加が企業のIT予算を押し上げ続けるかにも頼っている。
この会社をどう読むか
Commvaultは元々、企業のサーバーやファイルを定期的に複製する地味な専業ソフト会社だった。ランサムウェアが最優先課題になったいまは、暗号化される前の綺麗な状態を見つけて戻す速さで評価される。
売上の3割強がArrow経由という間接販売の厚みは、少ない人数で世界に届ける効率と、一本の販路に頼る危うさを同時に抱えている。大手クラウド事業者がバックアップを標準機能として取り込んでくる圧力との綱引きが、当面の勝負どころになる。
バランスシート (要約)
資産 $1.9B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $7M(0%)。
開示から読める範囲ではおおむね健全
- 現金・現金同等物$900M
- 他の流動資産$387M
- 固定資産$600M
- 流動負債$658M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・利息カバー率 (営業利益が支払利息の何倍か)。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $1.2B
- 売上成長率
- 18.9%
- 粗利率
- 81.2%
- 営業利益率
- 6.3%
- 純利益率
- 6.0%
- ROE
- 942.8%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $245M
- フリーCF
- $237M
- 営業CFマージン
- 20.7%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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