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Crane NXT米ドル紙幣の用紙を百五十年以上独占供給するという、競合の入り込めない深い堀が最大の強み。中央銀行という極めて参入の難しい顧客を世界で押さえ、偽造を防ぐ独自の技術も持つ。現金が完全には消えない限り続く安定した需要を握り、認証へ事業を広げる守りの堅い立ち位置にいる。
米国の中央銀行に、ドル紙幣の専用用紙を百五十年以上にわたり独占で供給するのが収益の太い柱で、世界各国の中央銀行向けにも紙幣用紙と偽造防止の技術を売る。もう一つの柱が、現金自動預け払い機や自動販売機でお札や硬貨の真贋を見分けて受け付ける装置になる。近年は商品の偽造を防ぐ認証の事業も買収で広げた。紙幣と現金処理、認証で稼ぐ構造になっている。
電子決済が広がって現金の利用が長期で細れば、紙幣用紙と現金処理の両方に逆風になる。百五十年続く米ドルの用紙の独占契約も、万一の更新の失敗は致命傷になる。現金自動機の市場は成熟しており、大きな伸びは見込みにくい。買収した認証事業の統合に費用がかさむ恐れもある。
配当を続けながら、紙幣事業の安定した稼ぎを土台に、偽造防止や認証の分野へ買収で事業を広げる経営。現金が細る長期の流れに備え、認証という新しい柱を育てる。自社株買いでの還元も組み合わせる方針が特徴になっている。
紙幣の発行量と、現金処理の需要、認証事業の統合に依存する。各国の中央銀行が紙幣を刷り続けるか、現金の利用が急速には減らないか、買収した偽造防止の事業をうまく束ねられるか、そして米ドルの用紙の独占契約を保てるかが、業績を左右する大きな前提になる。
バランスシート (要約)
資産 $3.1B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $1.3B(40%)。
借金と支払い余力のバランスが良く、黒字も安定
- 現金・現金同等物$234M
- 他の流動資産$619M
- 固定資産$2.3B
- 流動負債$569M
- 長期借入金$1B
- 短期借入金$135M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $1.7B
- 売上成長率
- 11.4%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- 14.9%
- 純利益率
- 8.8%
- ROE
- 11.6%
- ROIC
- 8.1%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $242M
- フリーCF
- $198M
- 営業CFマージン
- 14.6%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $39M
- 配当性向
- 26.9%
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