
後発が同じ精度のタイトルプラントを一から揃えるのは事実上むずかしく、それが大手数社で分け合う市場の形を長く保たせている。カリフォルニア州サンタアナに本社を置き、権原の調査から決済、住宅設備の保証まで一つの取引の周りをまとめて引き受ける。
所有権に欠陥がないことを保証する権原保険に、決済とエスクロー、鑑定、土地記録の提供までを束ねた部門が連結収入の93.6%を稼ぐ。残りは住宅設備の故障を保証するホームウォランティ部門で、かつての損害保険はすでに新規販売も有効な契約も無い。
住宅ローン金利が高止まりして住宅取引が細れば、権原保険の新規加入もそのまま減る。取引件数が落ちても保険を審査・発行する人員や店舗網の固定費は簡単に減らせず、採算が悪化しやすい。
手作業だった権原の調査や決済の手続きを機械へ置き換える投資を続け、銀行や信託、資産管理といった不動産取引の周辺にも手を伸ばしてきた。一方で採算の合わなくなった損害保険は引き受けそのものをやめ、看板の権原保険へ資源を戻す判断も下している。
住宅ローン金利が下がって売買と借り換えが増えるほど、権原保険の新規加入も同じ向きに動く。全米の登記や訴訟の記録を集めたタイトルプラントを更新し続けられるかが、審査の速さと引受のうまさをそのまま決める。
この会社をどう読むか
家を買う人も、住宅ローンを貸す銀行も、その土地の権利に傷が無いことを誰かに保証してもらいたい。その求めに応える権原保険が、1889年に遡るこの会社の稼ぎのほぼ全部を占めている。
強みは保険そのものではなく、全米の登記や訴訟の記録を集めたタイトルプラントのほうにある。住宅ローン金利が下がって取引が増える局面ではそのまま業績が伸びるが、金利が高止まりすれば新規加入も細る、金利連動の性格が強い。
バランスシート (要約)
資産 $16.2B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $5.5B(34%)。
自己資本比率は同業の中央値を上回る
- 現金・現金同等物$1.4B
この判定で見た指標: 自己資本比率。預金や保険の準備金が負債に立つ業態のため、流動比率と D/E は判定に使わず、自己資本比率を同業の中央値と比べています。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $7.5B
- 売上成長率
- 21.6%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- —
- 純利益率
- 8.3%
- ROE
- 11.3%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $951M
- フリーCF
- $763M
- 営業CFマージン
- 12.8%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $223M
- 配当性向
- 35.9%
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