GSIT
GSI Technology汎用のAI半導体を追わず、類似検索という一点にAPUを絞り込んだ設計思想が他社と違う。三十年分のSRAM設計の蓄積があるから、この絞り方ができている。
収入のほぼすべては高速SRAM(記憶半導体)の販売から出る。ルーターやスイッチ、無線基地局に組み込まれる部品で、KYECやNokiaといった機器メーカーとの長い取引がそれを支えている。この売上を、類似検索に特化した独自のAI半導体APUの開発資金に回す。軍・防衛・宇宙向けには放射線に耐えるSRAMも供給する。
SRAMの需要が縮めば、APU開発を支えていた原資のほうが先に尽きる。APUは似たデータを高速に探す用途に絞った独自方式で、この土俵に採用が広がらなければ技術だけが残る。2025年度は売上が6%減り、粗利率も下がった。
稼いでいる事業の現金を、まだ売上の立たない新製品にそのまま投じる配分をとる。株主還元よりも開発の継続を選ぶ姿勢が、そのまま決算の数字に出ている。
通信機器メーカーの設備投資が細れば売上は素直に落ちる。工場を持たないファブレスのため、先端の製造工程を外部からどれだけ確保できるかが製品の競争力を決める。
この会社をどう読むか
売っているものと、将来を託しているものが一致していない会社である。
GSI Technologyの収入はいまも通信機器向けの高速SRAMから出ているが、その現金はAI向けの独自半導体APUの開発に流れ込んでいる。SRAM市場は成熟し、2025年度は売上も粗利率も落ちている。稼ぎ手の体力が尽きるのが先か、APUの採用が始まるのが先か、その競走がこの会社の評価をほぼ決めている。
バランスシート (要約)
資産 $98M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $82M(83%)。
本業は赤字で現金を減らしている段階。手元現金は約4年分
- 現金・現金同等物$67M
- 他の流動資産$12M
- 固定資産$19M
- 流動負債$9M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $25M
- 売上成長率
- 22.4%
- 粗利率
- 54.5%
- 営業利益率
- −69.6%
- 純利益率
- −52.7%
- ROE
- −16.2%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- −$16M
- フリーCF
- −$16M
- 営業CFマージン
- −63.4%
- 現金ランウェイ
- 約4年
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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