IRDM
Iridium Communications南極から北極まで地球上に死角のない通信網は世界で唯一であり、新規の構築には巨額の投資と周波数の権利が必要で真似が利かない点が最大の強み。低速でも確実につながる信頼性は、人命に関わる海運や防衛の用途で選ばれ続ける。巨大衛星網の隙間で、外せない用途を握る専門局の立ち位置にいる。
自社の低軌道衛星網を使った通信サービスの利用料が収益の柱。海上の船舶や航空機、僻地の作業現場など携帯電話の届かない場所での音声・データ通信と、機械や設備の位置と状態を伝える小型端末の回線契約が中心になる。米国防総省との長期の固定契約も土台を支える。衛星網への投資を終え、利用料を積み上げて稼ぐ構造になっている。
安価で大容量の新興衛星網が同じ顧客層に攻め込むと、価格と契約の両方で守勢に回る。スマホが衛星と直接つながる時代の本格化は、専用端末という商売の前提を揺らす。収益の一部は政府頼みで、契約の打ち切りは痛手になる。衛星網の更新には巨額の投資が周期的に必要で、その谷間は還元の重しになる。
衛星網の更新を終えて投資が軽くなった現金を、配当と大規模な自社株買いに振り向ける還元期の経営。機械向け通信や位置情報サービスなど回線の裾野を広げ、利用料の積み上げを続ける。次の衛星更新に備えつつ株主に返す方針が特徴になっている。
回線契約数の伸びと、政府契約の継続、新しい競合との均衡に依存する。機械向けの小型通信端末の契約が増え続けるか、国防総省との大型契約が更新されるか、巨大な低軌道衛星網を持つ新興勢力と顧客を食い合わずに済むか、そして次世代衛星への更新投資を計画的に賄えるかが、業績を左右する大きな前提になる。
バランスシート (要約)
資産 $2.5B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $463M(18%)。
借金と支払い余力は並の水準。大きな不安はない
- 現金・現金同等物$97M
- 他の流動資産$180M
- 固定資産$2.3B
- 流動負債$112M
- 長期借入金$1.8B
- 短期借入金$3M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $872M
- 売上成長率
- 4.9%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- 27.1%
- 純利益率
- 13.1%
- ROE
- 24.7%
- ROIC
- 8.4%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $400M
- フリーCF
- $300M
- 営業CFマージン
- 45.9%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $63M
- 配当性向
- 55.0%
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