Berkshire Hathaway[BRK.B]
2026.06.16バリュー投資の生き神5 分で読める

ウォーレン・バフェット

Warren Buffett
会長・元 CEO生年 1930米国・ネブラスカ州オマハ

11 歳で初めて株を買って以来 84 年、Berkshire Hathaway を $20 の株から $750K 超の株へ。2025 年に CEO を退き、グレッグ・アベルへ引き継いだ史上最高の投資家。

バリュー投資保険コングロマリット

1965 年、ニューイングランドの不振な繊維会社を買い取った青年がいた。その会社の名は Berkshire Hathawayバフェット はそれを 60 年かけて、世界最大級の保険・投資コングロマリットに育て上げた。

価格はあなたが払うもの。価値はあなたが受け取るもの

ウォーレン・バフェット

Berkshire の A 株は 1965 年当時 $19。2026 年現在は $750,000 超。これは 60 年で約 4 万倍、年率 約 20% の複利。S&P 500(同期間で年率約 10%)の倍以上を実現した、史上最も長く続いた投資成績だ。

01

オマハの新聞配達少年

1930 年、ネブラスカ州オマハで生まれる。父は地元の株式ブローカー兼下院議員(共和党)。8 歳で『One Thousand Ways to Make $1,000』を読み、11 歳で初めて株を買った。シティ・サービスの株を 3 株、$38 ずつで購入。早すぎる売却を後悔したと本人は語る。

13 歳で『The Atlantic Monthly』に投資の話を投稿し、新聞配達で蓄えた金で 40 エーカーの農場を買った。ペンシルバニア大学ウォートン校 に入学するも 2 年で転校、ネブラスカ大学で経済学を卒業。コロンビア大学でベンジャミン・グレアムに師事。グレアムは『証券分析』『賢明なる投資家』の著者で、バリュー投資の祖。バフェットはこの師との出会いで生涯の投資哲学を固めた。

卒業後にグレアム・ニューマン社に入り、1956 年にオマハに戻って自己ファンド(バフェット・パートナーシップ)を設立。13 年で資金を 30 倍にし、1969 年にパートナーシップを解散。すでに買収していた繊維会社 Berkshire Hathaway に資金を集中させた。1965 年に Berkshire の支配株主、それから 60 年。

02

「いい会社を、まっとうな価格で」買い続ける

バフェットの投資哲学は 「価値より低い価格で買う、長期保有する」の一行で言える。ただ、その実装には時代によって変化があった。

前期(1950〜70 年代): グレアム流の「割安株(cigar butts)」を買う。倒産近い会社で、解散価値より時価総額が低い銘柄。

中期(1970〜2000 年代): 友人で長年の右腕、チャーリー・マンガーの影響で「ブランドと収益性のある優良企業を、まっとうな価格で」買う流儀に転換。See's Candies、Coca-Cola、American Express、Wells Fargo、GEICO、BNSF Railway。

後期(2010 年代〜): テック嫌いを部分的に修正。Apple は Berkshire 史上最大の単一銘柄投資になり、ピーク時の含み益は $100B 超。日本商社 5 社(伊藤忠、三井物産、三菱商事、住友商事、丸紅)への投資も話題になった。

そして 保険事業を「フロート」として使う仕組み。GEICO、General Re、Berkshire Hathaway Reinsurance などの保険子会社が抱える保険料の積立金を、まだ保険金支払いが起きていないうちに投資へ回す。実質的にゼロ金利の永久借入を活用する構造が、Berkshire の伸びを支えてきた。

03

オマハの賢人

バフェットを語るとき、チャーリー・マンガー(2023 年に 99 歳で死去)と切り離せない。マンガーは「安く買うのは大事だが、いい会社を妥当な価格で買う方がずっといい」とバフェットを説得した張本人。「バフェット・マンガー」の二人三脚が 60 年続いた。

私の成功の 90% は、運と、生まれた国と、出会った人で説明できる

ウォーレン・バフェット

毎年 5 月にオマハで開かれる Berkshire 年次株主総会(通称「資本主義のウッドストック」)には世界中から 4 万人が集まる。バフェットとマンガーは 6 時間以上、質問に答え続けた。Q&A は財務の話より、人生哲学・米国社会・倫理の話の方が多い。これが多くのファンを生んだ。

私生活は質素。今もオマハの 1958 年購入の家(当時 $31,500)に住み、朝食はマクドナルドのマフィン、運転は中古車。「金持ちらしくない金持ち」の代名詞だ。資産の 99% を慈善(Bill & Melinda Gates Foundation 等)に寄付すると公言している。

04

バフェット後の Berkshire

2025 年 5 月の株主総会で、94 歳のバフェットは 2025 年末での CEO 退任を発表。エネルギー子会社 BHE の元 CEO グレッグ・アベル(63 歳)に経営を引き継いだ。投資判断は トッド・コームズとテッド・ウェシュラー(10 年以上前から Berkshire で運用責任を担う 2 名)が中心になる。バフェット本人は 取締役会会長として書簡執筆と大局判断を続ける。

リスクは多い。$300B 超の現金保有は、市場が割高すぎてバフェット流の「妥当な価格」が見つからないことを示しているが、株主にとっては「運用されないキャッシュは機会損失」でもある。アベルが大型買収を仕掛ければ、その判断が試される

そして 複雑な事業構成。鉄道、エネルギー、保険、消費財、製造業、株式ポートフォリオ。バフェット自身が頭の中に持っていた事業の地図を、アベル体制で同じように管理できるかは未知数。「バフェット・プレミアム」と呼ばれた株価上乗せ分が、徐々に剥がれる可能性もある。

05

読み終わりに

バフェットの面白さは、「派手な賭けに見える瞬間は一度もなく、地道に複利を回し続けた」点にある。Tech バブルでテックを買わず、リーマンで金融に出資し、コロナで航空株を売って商社を買う。毎回、判断が「やや遅い」と批判されるが、長期で正しかった。これが彼の真骨頂だ。

Berkshire の株を見るときは、四半期業績より 現金保有額の動きアベル体制での大型 M&A の有無を読むと、見え方が変わる。バフェットが残す最後の作品が 次世代経営者への信頼ある引き継ぎそのものだ。「機関化されたバフェット流」が彼の死後も続くか、それとも徐々に変質するか — そこに次の 10 年が見える。

公開情報(各社開示・公的資料・各種報道)を編集してまとめたものです。 人物評価には筆者の解釈を含みます。投資判断は別途、自身の責任で行ってください。