国家の裏方から時価総額世界屈指へ
アレックス・カープAlex Karp
CIAの投資部門から出た元手で始めた解析ソフトの会社を、23年かけて時価総額で世界有数の企業に育てた。哲学の博士号を持ち、部下と1対1で会わないことで知られる経営者である。
人物を読む
米国の有名企業を動かす 64 人。どんな人で、何を考えて経営しているのかを、経歴・判断・リスクまで 1 人ずつやさしく紹介します。
国家の裏方から時価総額世界屈指へ
CIAの投資部門から出た元手で始めた解析ソフトの会社を、23年かけて時価総額で世界有数の企業に育てた。哲学の博士号を持ち、部下と1対1で会わないことで知られる経営者である。
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自分で作った会社を、いまも自分で運転している人たち。

規制と1年8カ月争い、主流に乗った
民泊仲介の会社を辞め、誰も信じていなかった暗号資産の交換所を作った。規制当局との訴訟を1年8か月争って勝ち、いまはS&P 500に名を連ねる会社の顔である。

空気ベッド3台から宿泊の再定義へ
家賃を払えず始めた民泊が、いま旅行の主要な選択肢の一つになった。コロナ禍で社員の4分の1近くを手放した後、経営の型そのものをスティーブ・ジョブズ流に作り替えた経営者である。

会計処理の和解から、通貨の伝道師へ
37年前に作ったソフトウェア会社を、2020年からビットコインを買い続ける会社に作り替えた。かつて会計処理を巡りSECと和解した経歴を持ち(不正の意図は認めず)、いまは自ら退いてCEOを譲り、資金調達に専念している。

スノーボード店から商取引の土台へ
高校を中退してプログラマーの職業訓練を受けたドイツの若者が、雪板を売るために自作したソフトが、いま無数の店の裏側を支える基盤になった。物流事業をたたみ、AIの使用を役員会並みに求める経営者でもある。

議会で5時間謝り、指数入りまで来た
手数料ゼロの株取引アプリで個人投資家の門戸を開いた一方、2021年の取引制限騒動では議会に呼ばれ謝罪した。いまはトークン化された株や予測市場に軸足を広げている。

世界を止めた、守る側の人
会計士から出発し、企業を守るクラウドストライクを起こした。2024年、自社が配った更新が世界のパソコンを止める。詫びと作り直しを経て、売上は障害の前後で一度も減っていない。

三度、会社を作り替えた
19歳のとき大学の寮でパソコンの直販を始めた。上場をやめ、また上場し、いまはAI用サーバーの主要な作り手。会社の形を三度も組み替えてきた創業者である。

ドルを配管にした男
ウェブの開発道具と動画配信で2社を上場させた連続起業家。3社目のサークルで「デジタルのドル」USDCを $73B まで育て、2026年7月に米当局から銀行の設立認可を得た。

追い出されなかった創業者
20 歳で大学をやめて始めた会社の社長を、21 年続けている。2021 年に大株主から退任を迫られたが、投票で退けたうえで利益を厚くして見せた。売上の 4 分の 1 は日本から入る。

言葉で市場を作った人
オラクルで13年働き、1999年にアパートでセールスフォースを創業。ソフトを買わずに借りる形を世に広めた。27年目のいま、AIが自分の商売の前提を壊しにきている。

納期で戦う組立屋
台湾から渡米し、1993 年にサーバーの組立会社を興した。新しい半導体を誰より早く箱に詰める速さで売上を 2 年で 2.6 倍にした一方、利幅は痩せ、統治への疑いが残っている。

約束が遅れて届く人
電気自動車とロケットを同時に率いる起業家。約束はいつも数年遅れて届く。2025 年はテスラの売上が初めて前年を割り、蓄電池と無人タクシーという次の柱が試されている。

二度賭ける男
フェイスブックを世界最大の交流サイトに育てた創業者。議決権のおよそ6割を握り、誰にも止められない立場から、メタバースと人工知能へ二度の大きな賭けを打っている。

10年ただで配り続けた男
33年前に自分で作った会社を、時価総額で世界一まで運んだ。誰も欲しがらない開発の道具を10年配り続けたことが、いまの独占につながっている。
会社を引き継ぎ、組織の運転で成果を出す人たち。

デリの店主から二度目の大型経営へ
16歳で買った惣菜店を大学の学費に変え、SAPの時価総額を4倍にした後、ServiceNowでもう一度同じことをやっている。企業の裏方業務にAIを組み込む商売を、成長率トップのまま走らせる経営者。

台湾の農村から、世界の心臓部へ
台湾の農村に生まれ、米欧の半導体会社を渡り歩いた技術者が、世界最大の半導体受託生産会社を率いている。会長とCEOを一人が兼ねるのは、創業者以来初めてのことだ。
巨額受注の裏で、借金も膨らむ
2025年、単独CEOのサフラ・カッツに代わって共同CEO体制が敷かれた。クラウド基盤OCIをゼロから育てた技術者マゴーリックは、$638Bの受注残と膨らむ借金を同時に抱えている。

スマホ依存から抜け出す設計者
5Gの技術者としてキャリアを積み、いまは半導体の使い道をスマホから車・パソコン・データセンターへ広げている。長年の稼ぎ頭だった携帯電話向け事業が縮む中、次の柱を急いで育てる経営者。

資源開発より、精製を知る男
上流(資源開発)偏重だった経営を、精製・化学品を含めた全体でならしてきた9年目の経営者。20年で最大級の買収と、ガイアナ沖の油田開発で、原油相場に左右されにくい収益構造を組み上げている。
引退から呼び戻された、生え抜き
教師の母に育てられ、インターンから32年かけてナイキの幹部まで上った。2020年に一度退いたが、2024年に社長・CEOとして呼び戻され、行き過ぎた直販路線を卸との関係修復へ戻す立て直しに取り組んでいる。

61年ぶりに椅子が変わった
2026年、ウォーレン・バフェットの後を継いでバークシャー・ハサウェイの経営者となった。電力会社を一代で育てた実行力を買われた、寡黙な会計士出身の経営者。
農学を学んだ技術者、頂点に立つ
工場や供給網を歩いて30年、地域トップを渡り歩いた技術者出身の経営者が、2026年にコカ・コーラのCEOに就いた。「痩せる薬」の広がりに、低カロリー製品への切り替えで応じている。

元同僚に訴えられた挑戦者
シスコで15年かけて$5B規模の事業に育てた同じ土俵に、退社後まったく別の会社で挑んだ。シスコに特許訴訟を起こされながらも、いまはAI向け通信機器で主役に躍り出ている。

会社を割り、訴訟と向き合う経営者
スペインの営業職から33年かけてJ&Jの頂点まで上った経営者。消費者向け事業を切り離して薬と医療機器に絞り込み、2026年通期の見通しでは創業以来初めて売上$100Bを超える見込みだ。一方でベビーパウダー訴訟は、3度目の破産申請も退けられ、なお解決していない。

モニター係から、次期CEOへ
外付けディスプレイ担当として2001年に入社し、25年かけてiPhoneからアップルウォッチまでハード全体の責任者に上った。2026年9月1日、ティム・クックからCEOを引き継ぐ。

会社を割って、立て直した男
倒産寸前だった複合企業ゼネラル・エレクトリックに、外部出身で初のCEOとして入り、3つの会社に解体した。生き残った航空エンジン事業は、いま世界有数の時価総額を持つ企業になっている。

買収でつなぎ直す元Google幹部
ファイアウォールの会社を、企業のセキュリティを丸ごと請け負う会社に作り替えた。武器は開発ではなく、大型買収を次々に成立させる交渉力。

設計図屋から製造にも踏み出す男
エヌビディアによる買収が崩れた直後にCEOになり、設計図を売るだけの会社を株式市場へ送り出した。いまは自ら半導体そのものを作る領域に踏み込み、長年の顧客と一部で重なり始めている。
崖の見える製薬会社を率いる財務畑
エーライリリーとバクスターで財務畑を歩んだのち、Merckの最高財務責任者を経てCEOに就いた。がん免疫薬ケイトルーダが売上の半分を占める中、2028年の特許切れに備え、買収と共同開発で次の柱を探している。

赤字続きの記憶装置屋がAIで化けた
半導体メモリという値崩れの激しい商売を30年以上見てきた技術者。2023年度に過去最大の赤字を出した会社が、AI向け需要でわずか3年後に四半期利益$28Bを叩き出すまでを率いた。

検索の広告塔から、データの土台へ
グーグルの広告事業を率いた技術者が、自分で創業した検索会社をスノーフレークに売り、そのままCEOになった。前任者が築いた成長を、人工知能向けの従量課金という新しい形で引き継いでいる。
急落を生き延びた、遺伝子ワクチンのCEO
新型コロナワクチンで会社を急成長させ、その後は株価の9割下落を経験した。いまは費用を削りながら、がんワクチンなど新型コロナ以外の柱を育てる、長い我慢比べの局面にいる。
荒波のトレーダーが、静かな商売を選んだ
トレーディングで鍛えられた経営者が、モルガン・スタンレーの重心を波の荒い取引業務から、報酬が安定する資産運用へ移してきた。2026年、預かり資産は$10Tの大台に達している。

研究所育ちの設計者
研究者として入社し30年で頂点へ。$34Bのレッドハット買収と9万人の切り離しで老舗を作り替えたが、2026年7月、AI予算の奔流は自社を素通りしていった。

引退から呼び戻された機械屋
事故と品質問題で信頼を失ったボーイングが、引退生活から呼び戻した技術者。ストライキと資金難の初年度をしのぎ、2025 年に納入 600 機・7 年ぶりの黒字まで戻した。

沈む巨人に呼ばれた投資家
半導体で最も顔の広い投資家が、65 歳で沈むインテルを引き受けた。人を減らし工場を絞り、米政府とエヌビディアを株主に迎えて株価を 5 倍にした。ただし受託製造の外部客はまだ 5% しかいない。

9か月と言い切った獣医
ギリシャの獣医が製薬最大手の頂点に立ち、就任2年目にコロナワクチンを9か月で世に出した。売上は$101Bまで膨らみ、3年で$62Bへ戻った。いまは買収でつくり直した棚の答え合わせをしている。

肥満を病気と呼んだ人
1996 年入社の生え抜き。2017 年に社長となり、体重を減らす薬に会社の資源を寄せた。売上は 9 年で 4 倍、時価総額は $1T を超え、製薬で世界最大になった。

立て直しの請負人
タコベルとチポトレを立て直し、2024 年にスターバックスへ移った。指名が発表された日、株価は 1 日で 24.5% 上がった。原点回帰を掲げ、既存店売上を 4 四半期続けてプラスに戻している。

17歳の倉庫番だった社長
17 歳で倉庫のアルバイトから始め、47 歳で社長になった。12 年かけてウォルマートを店の会社からネット通販の会社へ作り替え、2026 年 1 月に退いた。

会社を売り切る経営者
ディスカバリーを長く率い、ワーナーメディアと合併して巨大メディアを作った。$55B の借入を削り、会社を二つに割ると決め、割る前に丸ごと売る道を選んだ。

降りられる買い手
ビデオ店の店員から、年 $18B の作品予算を握る立場へ。試作なしで $100M を出す大胆さと、$72B の買収から降りる冷静さを同じ人が持っている。

帝国を買い集め、鍵を渡した
通算18年ディズニーを率い、ピクサーからフォックスまで $87B を買い集めて物語の帝国を作った。2026年3月、一度しくじった引き継ぎをやり直して席を降りた。

謝罪から始めた再建者
イラン革命の混乱で米国へ渡った少年が、旅行予約大手を12年率いたのち、燃えていたウーバーを引き継いだ。9年かけて年 $52B を売る黒字企業に変えた経営者。

看板をたたんだ人
トヨタで 17 年、フォードで 19 年。2020 年に社長となり電気自動車に賭けたが、2025 年に自らその計画をたたみ、商用車を会社の柱に据え直した。

やめる決断の経営者
18歳でGMの実習生になり、34年後に頂点へ。就任直後の欠陥公表に始まり、欧州・無人タクシー・電気自動車の減速まで、やめる判断を重ねて会社の形を変えた。

掃除から始めた銀行家
リーマン危機の後始末ごと米2位の銀行を引き受け、16年で立て直した。訴訟を払い切り、経費を削り、いまは年 $30B を稼ぐ。派手さのなさを、そのまま経営の型にした人。

引き算で立て直す
大きいのに儲からない銀行を、事業を減らして立て直した。個人向け銀行を13ヶ国でたたみ、メキシコの銀行を半分手放し、2026年に10年ぶりの売上へ。米大手銀行で初の女性トップ。

撤退を決めた銀行家
個人向け銀行に手を広げて $3B 超の赤字を出し、自分でそれを畳んだゴールドマン・サックスの経営者。本業に絞り直した2025年、会社は過去最高の利益を出した。

頼まれて入り、終われば去る
創業者ではなく、出来上がった会社に途中から入って上場まで運ぶ役回りを 3 度務めた。スノーフレークでは 5 年で売上を 10 倍にし、2024 年 2 月に自ら退いている。

唯一の機械を預かる人
半導体をいちばん細かく刻む機械は、世界で ASML しか作れない。その会社を 2024 年から率いるフランス出身の技術者。景気ではなく納期と歩留まりを語る。

発明しない半導体王
自分では発明しない。他社を買い、無駄を削り、値づけを変える。この繰り返しでブロードコムを $2T の会社に育てた、数字だけを見る経営者。

設計をやり直した工学者
赤字続きの AMD を引き受け、計算の心臓部にあたる半導体を設計し直した。11 年で売上は 6 倍、時価総額はインテルの 1.7 倍になった。

解雇から始まった20年
42 歳で職を追われたあと、20 年かけて JPモルガン・チェースを時価総額 $1T の銀行にした。嵐の日に買う側でいるため、晴れの日に資本を余らせ続ける経営者。

削る人であり、積む人
アマゾンでいちばん利益を稼ぐのは通販ではなくクラウドで、その事業を社内から立ち上げた本人が会社全体を率いている。就任後に 3 万人を減らし、同時に年 $220B 規模の投資へ踏み込んだ。

稼ぎ頭に手を入れた人
グーグルとアルファベットを 11 年率いる。稼ぎ頭の検索に AI の回答を自ら載せ、赤字だったクラウドを黒字に変え、いまは会社の財布の使い方まで作り替えている。

後継者から、後継者を選ぶ側へ
ジョブズの後を継ぎ15年、アップルの株価を23倍超に押し上げた。派手な発明でなく供給網と定期収入を積み上げた経営者で、2026年9月1日にジョン・ターナスへCEOを譲る。

まず捨てた再建者
就任 1 年半で前任者の買収を丸ごと損切りし、ウィンドウズ中心の会社をクラウドの会社に作り替えた。いまは年 $115B を人工知能の設備に注ぎ込んでいる。
会社ではなく、資本の側から市場を動かす人たち。

注文の裏側にいる人
寮の屋根にアンテナを立てて取引を始め、シタデルを設立来の利益で史上最大の運用会社に育てた。米国の個人の株注文の約35%を引き受ける値付け会社も、同じ人の持ち物である。

5年先に賭ける投資家
上場前のスペースXを抱え、テスラに2029年$2,600を掲げる投資家。2020年に+153%で英雄になり、続く2年で4分の1まで沈んだ。前提を全部公開するのが持ち味。

自分を上場させた投資家
少数の会社に大きく賭け、公の場で経営を変えさせてきた投資家。2026 年 4 月、運用会社そのものをニューヨーク証券取引所に上場させ、引き上げられない資金を手に入れた。

失敗を仕組みに変えた
33 歳の年に三か月で $100M を失い、花形の座を降りた。その悔しさから作ったリスク測定の道具が、いま世界最大の運用会社ブラックロックの土台になっている。

保険料で株を買った男
11 歳で 3 株を買った少年が、60 年で年率 19.7% を積み上げた。保険で預かったお金を株と会社に回す仕組みを作り、2026 年にグレッグ・アベルへ経営を渡した。