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ヴラド・テネフ
Vlad Tenev
Robinhood Markets[HOOD]
時価総額 $96.3B創業者

議会で5時間謝り、指数入りまで来た

ヴラド・テネフVlad Tenev

共同創業者・会長・CEO生年 1987ブルガリア・ヴァルナ
2026.08.264 分で読める

手数料ゼロの株取引アプリで個人投資家の門戸を開いた一方、2021年の取引制限騒動では議会に呼ばれ謝罪した。いまはトークン化された株や予測市場に軸足を広げている。

フィンテック創業者

経営の一貫性

sodate 独自指標
総合スコア
59
ばらつき型

強い年と弱い年の振れ幅が大きい。

直近 6 年の数字より
売上の伸び76
利益率の規律50
資本配分の規律50
売上 平均伸び
+42.3%±37.8pp

ヴラド・テネフ 体制を含む過去の数字。売上成長率の標準偏差・営業利益率の標準偏差・配当規律の 3 軸を平均。 言葉の一貫性 (過去 10-K テキスト比較) は Phase 2 で追加予定。

この記事の流れ(全5章)
  1. 01世界銀行に勤める両親のもとで
  2. 02「手数料ゼロ」が生んだ、もう一つの危機
  3. 035時間の公聴会と、その後の立て直し
  4. 04次の柱は、株のトークン化と予測市場
  5. 05この人を通して数字を読むなら

2021年、テネフは下院の公聴会に呼ばれ、5時間以上にわたり質問を浴び続けた。あのときの騒動から5年、ロビンフッドはS&P 500種指数の一員になった。

数字で読む
共同創業から
13
2013年、26歳のとき
時価総額
$103.0B
2026年8月時点
資金を預ける利用者
28.4百万人
2026年4〜6月期、前年同期比+7%
四半期の株取引額
$956B
同時期、過去最高を更新
01

世界銀行に勤める両親のもとで

テネフは 1987 年、ブルガリアの港町ヴァルナで生まれた。両親はどちらも世界銀行に勤めていた。

5 歳のとき、祖父母のもとに預けられたあと米国へ移住する。バージニア州の理数系名門高校に通った。

大学はスタンフォード大学で数学を専攻し、ここで共同創業者となるバイジュ・バットと出会う。その後カリフォルニア大学ロサンゼルス校で数学の修士号も取っている。

学者への道も考えたが、方向を変えた。バットと組み、高速取引向けのソフトウェアを作る会社を 2 社、立て続けに立ち上げている。

  1. 1987
    ブルガリア・ヴァルナで生まれる
    両親はともに世界銀行に勤務
  2. 1992
    5歳で米国へ移住
  3. 2008
    スタンフォード大学で数学を専攻、UCLAで修士号
  4. 2010
    バイジュ・バットと高速取引ソフトの会社を創業
  5. 2013
    26歳でロビンフッドを共同創業
    投資家約75人に断られたのちに出資が決まる
  6. 2021
    ゲームストップ株の取引制限で下院公聴会に召致
    5時間以上、質問と謝罪が続いた
  7. 2021
    証券取引所に株式を公開
  8. 2025
    S&P 500種指数に採用
  9. 2026
    トークン化株・予測市場が新しい柱に育つ
02

「手数料ゼロ」が生んだ、もう一つの危機

2013 年、テネフとバットは、大手証券会社が株の取引でほとんど手数料を払っていない現実を知る。

その差額を個人にも還元しようと、手数料ゼロで株を売買できるアプリを作った。名付け親はテネフの妻だという。

すべての人に、金融への扉を開く

ヴラド・テネフ

このアプリは若い個人投資家を大量に呼び込んだ。だが 2021 年 1 月、その仕組みが裏目に出る。

急騰したゲームストップ株の買い注文を、清算機関からの担保要求を理由に一時制限した。利用者の怒りは議会にまで届いた。

03

5時間の公聴会と、その後の立て直し

2021 年 2 月、テネフは下院金融サービス委員会に呼ばれた。質問の大半は、あの日なぜ買い注文を止めたのかに集中している。

騒動から指数入りまでの5年
2021年1月、取引制限で利用者が反発
清算機関の担保要求が引き金
2月、下院公聴会で5時間超の質問に応じる
本人は謝罪を重ねた
同年、証券取引所に株式を公開
ここから収益源の多様化が進む
2025年、S&P 500種指数に採用
個人投資家アプリとして異例の格上げ
株式公開は2021年、S&P 500種指数への採用は2025年

公聴会では終始謝罪の姿勢を崩さなかった。あの制限は自社の判断というより、清算の仕組み上やむを得なかった、という説明を重ねている。

批判を浴びた直後の株価は低迷したが、その後は暗号資産やオプション取引へと事業を広げ、立て直しを進めてきた。

04

次の柱は、株のトークン化と予測市場

2026 年、ロビンフッドの新しい軸になっているのが、株式をブロックチェーン上の証票に置き換える取り組みだ。

自社のブロックチェーン基盤は 2026 年 7 月に稼働し、取引量の伸びは同種の基盤の中でも際立って速かったという。

同時に力を入れるのが、将来の出来事の結果に賭ける取引の場である。規模はまだ小さいが、伸び方は速い。

2026 年 4〜6 月期の総収入は $1.31B、前年同期比 32% の伸びだった。純利益は $573M で、前年同期比 48% 増えている。

05

この人を通して数字を読むなら

テネフは、批判を浴びた失敗をそのままにせず、事業を広げることで信頼を取り戻してきた経営者だ。謝罪だけでは終わらせない粘り強さがある。

もともとの強みだった手数料ゼロの取引は、いまや業界の標準になった。差別化の源は、暗号資産・トークン化・予測市場という新しい柱に移っている。

だからロビンフッドの株を見るときは、株取引の量そのものより、新しい柱がどれだけ利用者の資産を集めているかを見るとよい。

規制のかかり方が定まっていない領域が多い分、追い風にも逆風にもなりうる。ここが他の証券会社と一番違う点である。

出典:

  • Robinhood Markets, Inc. Second Quarter 2026 Results — https://investors.robinhood.com/news-releases/news-release-details/robinhood-reports-second-quarter-2026-results
  • C-SPAN「Robinhood CEO Testifies Before Congress in GameStop Probe」(2021年2月18日) — https://www.c-span.org/program/house-committee/gamestop-hearing-part-1/588548
  • The Motley Fool「Vlad Tenev Asked Regulators to Green-Light Tokenized Stocks. Robinhood Just Added About $12 Billion in Market Value.」(2026年8月21日) — https://www.fool.com/investing/2026/08/21/vlad-tenev-asked-regulators-to-green-light-tokenized-stocks-robinhood-just-added-about-usd12-billion-in-market-value/
  • Wikipedia「Vlad Tenev」— https://en.wikipedia.org/wiki/Vlad_Tenev
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