金曜の米国株は戻した。S&P 500は0.43%高の7,674.37、ナスダックも0.43%高の26,180.46である。ダウは0.98%高、小型株のラッセル2000は0.85%高だった。
ただし全体が一様に上げたわけではない。11あるセクターのうち10までがプラスで、公益事業だけが0.99%安と、ひとつだけ別の方角を向いている。
- 素材▲2.22%
- ヘルスケア▲0.95%
- 一般消費財▲0.92%
- 情報技術▲0.67%
- 資本財▲0.64%
- 金融▲0.49%
- コミュニケーション・サービス▲0.42%
- 生活必需品▲0.33%
- エネルギー▲0.17%
- 不動産▲0.00%
- 公益事業▼0.99%
分けたのは金利だった。
10年物は4.734%、30年物は5.273%まで上がった
10年物の国債利回りは3ベーシスポイント以上上がって4.734%、30年物も同じく上がって5.273%となった。
週を通して、国債は荒れていた。前日は金利の上昇が株を押し下げている。金曜に株が戻したのは、金利が下がったからではなく、上がったまま織り込み直したからである。
金利が高いと、重くなる業種と軽くなる業種が分かれる。
公益事業は0.99%安、借金で設備を建てる業種が重い
最も分かりやすく重くなるのが公益事業だ。
センプラが5.14%安の$82.89、エジソン・インターナショナルが4.11%安の$71.59である。アメリカン・エレクトリック・パワーも3.79%安の$120.94で続いた。
SRESempra▼5.14%
EIXEdison International▼4.11%
AEPAmerican Electric Power▼3.79%
発電所も送電網も、建てるのに巨額の借入が要る。金利が上がれば、その利息がそのまま費用として増える。加えて、公益株は配当を目当てに買われることが多い。国債の利回りが上がると、同じ利回りをより安全に得られるようになり、比べられて分が悪くなる。
掘る側は、逆に買われた
同じ日に、素材が2.22%高でセクター首位に立った。
サザン・カッパーが8.69%高の$216である。銅の価格が最高値の近くまで上がっている。関税がどうなるかを市場が測りかねているところに、需要が供給を上回る状態が重なった。
MPマテリアルズは9.10%高の$60.05だった。こちらはレアアースである。4〜6月期の売上高が前年から89%増えて$108.5Mとなり、予想の$96.9Mを上回った。磁石工場の建設を前倒しし、防衛・航空分野の新しい取引先とも長期契約を結んでいる。モルガン・スタンレーは目標株価を$73へ引き上げた。
金属を掘って売る会社は、値段が上がればそのまま売上に乗る。借入の重さより、売る物の値段のほうが効く。
個別で最も上げたのはロビンフッド
一日の上げ幅が最大だったのはロビンフッドで、13.70%高の$108.13である。
材料は三つ重なった。ビットコインの値上がりと、米国の暗号資産規制が緩む方向への期待。8月10日に英国で暗号資産の取引を始めたこと。そして、非公開企業の株式を持つクローズドエンド型のファンドを次々に出す方針である。
クローズドエンド型のファンドは、証券取引所で売買できる形にした投資信託だ。これまで機関投資家しか買えなかった未上場企業の持ち分を、個人が取引所で売買できる形に変える試みになる。ゴールドマン・サックスは目標株価を$118から$123へ引き上げた。
同じ金融の周辺では、フューチュー・ホールディングスが9.68%高、ファーストキャッシュが9.41%高と続いている。
HOODRobinhood Markets▲13.70%FUTUFutu Holdings▲9.68%
FCFSFirstCash Holdings▲9.41%
下げた側では、アリババが8.57%安
上げ一色の日にも、大きく下げた銘柄はある。
アリババが8.57%安の$119.34、マーベル・テクノロジーが5.57%安の$237.04だった。
モデルナは8.86%高の$145.13で、前日の急落から一部を戻している。3倍高から4分の1安、そして戻し。値段が落ち着くまでには、まだ時間がかかりそうである。
BABAAlibaba Group▼8.57%
MRVLMarvell Technology▼5.57%
MRNAModerna▲8.86%
深掘り
- 30年債5.27%、公益株だけ0.99%安になった
- 銅8.69%高、レアアース9.10%高。掘る会社の理由
- ロビンフッド13.70%高、未上場株を取引所で売る試み
- 上げ相場でアリババ8.57%安、理由は別々
- モデルナ8.86%高。3日間の値動きを追う
