半導体が約4.3%も崩れた金曜、相場を下から支えたのは、AIから遠い旧経済の会社たちだった。しかも支えた理由は、思惑ではなく決算の数字そのものだった。
いちばん派手だったのは、病院を運営するテネット・ヘルスケア。4〜6月期の調整後EPSが$6.12と、市場予想の$4.26を大きく上回った。利益は前年比で5割以上増え、通期の見通しを引き上げ、自社株買いも増額した。病院の稼働改善と外来事業の伸びが上振れの主因で、株価は17%高と大型株の上昇率トップに立った。
油田サービスのSLB(旧シュルンベルジェ)も11%高。Q2の調整後EPSが$0.55と予想を上回り、$648Mの自社株買いも実施した。興味深いのは、SLBがデータセンター向けの事業を伸ばしていた点だ。この部門の売上は前年比で大きく増え、油田の会社が「AIの冷却」という新しい稼ぎ口を持ち始めていることを示した。原油そのものは金曜に約2%下げたのに、SLBが逆行高したのは、この足元の決算の強さがあったからだ。
意味を持つのは、この2社が「相場全体の重しを、個々の決算が相殺できる」ことを見せた点だ。マクロの不安(AI設備投資への疑い)で指数が押される日でも、確かな数字を出した会社は逆風の中で買われる。ボトムアップの決算が、トップダウンの売りの受け皿になった。
見ておきたいのは、この決算シーズンの残りだ。旧経済の会社が次々と数字で応えれば、AI一辺倒だった相場に「もうひとつの主役」が戻ってくる。
出典: Benzinga(7/24・テネット・ヘルスケアQ2決算、EPS $6.12で予想$4.26を大きく超え) / GuruFocus(7/24・SLBのQ2決算、調整後EPS $0.55で予想超え) / Benzinga(7/24・SLBのデータセンター事業が急伸)
