株主名簿の上位に、動画配信者の名前が載った。
YouTubeで活動するマーク・フィシュバック氏が、SECにスケジュール13Gを提出し、GoPro株の8.5%を保有すると開示した。Markiplier の名で知られる人物である。個人としては同社で最大の株主になる。
株価はこの日40.41%高の$1.23で終えた。
13Gは「経営に口を出さない」届出である
まず種類を押さえておきたい。スケジュール13Gは、発行済み株式の5%超を持つ人が出す届出のうち、経営権の取得を目的としないものに使う。
会社と争う意思があれば13Dになる。フィシュバック氏は割安と見て買い集めたと説明し、会社の立て直しを手伝いたいと述べている。
株主として大きいことと、経営を動かせることは別だ。ただ、名前の知られた人物が買ったという事実が、この会社では材料になった。
空売りが16.5%あった
上げ幅がここまで膨らんだ理由は、需給にある。
GoProは発行済み株式に対する空売りの比率が約16.5%あった。株価が上がると、売っていた側は買い戻さないと損失が膨らむ。買い戻しが買いを呼ぶ形になり、値動きが加速した。
材料そのものより、材料が来たときの反応の大きさを決めたのはこの比率である。
同じ日に$285Mの身売りが決まった
さらに同じ日、GoProは非上場のスターマン・オプティカルと最終合意したと発表した。$285Mの資本再編を伴う合併である。
既存株主は1株あたり$1.14の現金を受け取り、統合後の会社の約1割を持ち続ける。
GoProの株価は$1を割りかけていた。米国の取引所には最低株価の基準があり、$1割れが続くと上場を維持できなくなる。現金の受け取りが決まったことで、その線から離れた形になった。
見ておくべきは、話題と事業の距離
翌9月2日には新製品の映像用カメラが世界の店頭に並ぶ予定でもあった。材料が重なった1日である。
ただ、8.5%の株主が有名人であることと、カメラが売れることは別の話だ。合併の条件も、株主が受け取る現金は1株$1.14で、この日の終値$1.23を下回っている。
値動きの大きさに対して、事業がどれだけ変わるのかはこれからの話である。
この日の市場全体の動きは朝刊にまとめている。