AIの電力不足の話に、地面の下から答えが出てきた。
ファーボ・エナジーが、ユタ州南西部で建設中のケープ・ステーションから約400メガワットの電気をグーグルへ供給する契約を結んだと発表した。
送電開始は2028年の予定である。株価はこの日28.41%高で、中型株の上昇率首位になった。
FRVOFervo Energy$19.75▲28.41%強化地熱とは、熱い岩に水を通す発電のこと
普通の地熱発電は、温泉のように熱水が湧く場所でしか成り立たない。だから使える土地が限られてきた。
強化地熱はそこを変える。熱いだけの硬い岩盤に横穴を掘り、割れ目を作り、水を通して蒸気を取り出す。掘る技術はシェールガスの開発で磨かれたものだ。
ファーボはケープ・ステーションに$2B超を投じている。完成すれば、この方式では世界最大の設備になる。
データセンターの電気は、風でも太陽でもなく「常に出る電気」が要る
なぜ検索の会社が地熱を買うのか。計算機は昼も夜も止まらないからである。
太陽光は夜に出ず、風は吹かない時間がある。蓄電池で埋めることはできるが、費用がかさむ。
地熱は天候に関係なく一定の出力を出し続ける。原子力やガス発電と同じ「動かし続けられる電源」の側に入る。
グーグルは2030年6月までに約600メガワットを追加できる権利も得た。全部使えば1,000メガワット規模になる。
5年かけて3メガワットから1,000メガワット規模へ
両社の関係は2023年、ネバダ州の3メガワットの実証から始まった。その後115メガワットの契約に育ち、今回はその一桁上である。
FRVOFervo Energy▲28.41%GOOGLAlphabet▼1.28%
グーグル側はこの日1.28%安だった。金利上昇で大型テックが広く売られた日なので、この契約が株価に効いた形跡はない。買う側にとっては調達の一件にすぎない。
見ておくべきは、2028年に本当に電気が出るか
契約は結ばれたが、電気はまだ流れていない。
送り先となるユタ州のデータセンターは場所が決まっておらず、規制当局の承認も残っている。掘削の歩留まりや工期の遅れも、この方式では珍しくない。
それでも28%の値上がりが示したのは、AIの電力調達が「発電所を建てる」から「どの電源と長期契約を結ぶか」へ移ったことである。
この日の市場全体の動きは朝刊にまとめている。
