火曜の米国株は、4つの指数がそろって下げた。
S&P 500が0.71%安の7,631.47、ナスダックが1.03%安の26,099.77。ダウは419ドル安の52,766.88で、小型株のラッセル2000は1.23%安である。
売りのきっかけは米国の外にあった。日本の国債である。
日本の10年債が30年ぶりに3%へ乗った
東京市場で、日本の10年国債の利回りが3%に達した。この水準は1996年以来、30年ぶりになる。
背景は3つある。物価が下がらないこと、日銀への利上げ圧力が強まったこと、そして来年度予算の概算要求が過去最大規模になると報じられたことだ。
20年債は3.885%、30年債は4.18%と、いずれも記録に近い水準まで上がった。
金利の上昇は日本で止まらなかった。米国の30年債は5.27%、10年債は4.80%へ上がり、英国の30年物国債も30年ぶりの高さに達している。
長い年限の国債は、国が借金を返せるかという見方をいちばん素直に映す。世界中で同じ向きに動いたのは、同じ心配を同時にしたということだ。
ホルムズ海峡でタンカーが2隻攻撃され、原油は5.96%高
金利を押し上げたもう一方の材料が原油である。
ホルムズ海峡でタンカーが攻撃されたと伝わった。米軍はイランのラーラク島にあるロケット発射装置を叩き、イラン側はUAEとヨルダンへ撃ち返している。
サイト掲載の終値でWTIは5.96%高の$90.87、ブレントは$92台に乗せた。
COPConocoPhillips▲2.79%
CVXChevron▲2.38%
XOMExxon Mobil▲2.24%
SHELShell▲2.25%
コノコフィリップスが2.79%高、シェブロンが2.38%高、エクソンモービルが2.24%高。産油側は素直に買われた。
ただし燃料代は誰かの費用でもある。原油高は物価統計に直接効くので、中央銀行が利上げを続ける理由にもなる。金利と原油が同じ日に上げたのは偶然ではない。
上げたのはエネルギー1業種だけ、最下位は情報技術2.60%安
セクターの並びが、この日の性格をそのまま出している。
- エネルギー▲0.95%
- 公益事業▼0.35%
- 生活必需品▼0.51%
- 不動産▼0.52%
- ヘルスケア▼0.55%
- 金融▼0.76%
- コミュニケーション・サービス▼1.17%
- 一般消費財▼1.50%
- 資本財▼1.66%
- 素材▼2.43%
- 情報技術▼2.60%
11業種で上げたのはエネルギーの0.95%高だけだった。最下位は情報技術の2.60%安である。
素材も2.43%安と沈んだ。金が1.31%安、銀が2.42%安と、利息を生まない資産が金利上昇に押されたためだ。
VIXは16.36へ9.65%上げた。慌てるほどではないが、前日までの落ち着きは消えている。
借金でAIを建てた会社に、金利がいちばん重く効いた
金利が上がると、遠い将来の利益で値付けされている株ほど売られやすい。借金が多ければ、利払いの負担も増える。
オラクルは、その両方に当てはまった。
同社の2026年度のフリーキャッシュフローは$23.7Bのマイナスだった。AIデータセンターの建設に現金を注ぎ込んできた結果である。借入で設備を建てる会社にとって、長期金利の上昇はそのまま原価の上昇になる。
SAPは4.01%安。サンタンデールが投資判断を「マーケットパフォーム」へ引き下げた。
高い評価の付いた成長株も広く売られた。アクソン・エンタープライズは8.52%安で、18か月ぶりの安値圏まで下げている。
アップルは2.61%高。ジョン・ターナス新CEOの初日だった
ナスダックが1.03%安で終えた日に、アップルは2.61%高の$325.13で引けた。
この日からジョン・ターナス氏がCEOに就いた。15年務めたティム・クック氏は執行会長に回る。
超大型株の上昇率首位はノバルティスの6.04%高だった。経口のBTK阻害薬レミブルチニブが、再発型の多発性硬化症の第III相で主要評価項目を達成している。
深掘り
- ターナス新CEOの初日、ナスダック1.03%安。アップルだけ2.61%高
- デル6.80%安、パロアルト5.24%安。決算を出す前に降りた人がいた
- グーグルが地熱を400MW買う。ファーボ・エナジー28.41%高
- エジソン8.93%高。判事が「裁判なしの責任」を認めなかった
- YouTuberが8.5%を買い、GoProは身売りを決めた。株価40.41%高
補足
暗号資産も金利に引っ張られた。ビットコインは1.51%安の$77,364、イーサリアムは1.94%安である。前日に$71,000超えを材料に上げた流れが、そのまま逆を向いた。
引け後にはデルとパロアルト・ネットワークスが決算を出す予定だった。どちらも年初来で株価が2倍以上に伸びており、発表を待たずに持ち高を軽くする売りが日中に出ている。
