「ダウ平均が最高値」「ダウが400ドル安」——ニュースで一番よく耳にする米国の株価指数が、このダウ平均だ。正式には「ダウ・ジョーンズ工業株30種平均」という。名前は難しいが、中身はシンプルだ。
米国を代表する30社の集まり
ダウ平均は、米国を代表する30社の株価をまとめて、ひとつの数字にした指数だ。アップルやコカ・コーラ、マイクロソフトといった、各業種を代表する有名企業が選ばれている。
500社で作るS&P500に比べると、数はぐっと少ない。そのぶん「誰もが知る大企業の詰め合わせ」という色合いが濃く、歴史も古い。米国の株式市場全体というより、「主力の大企業がいま元気かどうか」を映すものさしだと考えるとわかりやすい。
「株価が高い会社」ほど影響が大きい
ダウ平均には、S&P500とは大きく違う特徴がある。株価の高い会社ほど、指数への影響が大きいという点だ。
ダウ平均は、30社の株価をただ足し合わせて、決められた数(除数)で割って計算する。会社の大きさ(時価総額)ではなく、1株の値段そのものが効いてくる。だから、株価が500ドルの会社は、株価が50ドルの会社より、指数を10倍動かす力を持つ。会社の規模が同じでも、株価が高いほうが「幅を利かせる」わけだ。
一方でS&P500は、会社の大きさ(時価総額)で重みづけする。ここが両者の一番の違いで、同じ日でも「ダウは上げたのにS&P500は冴えない」といったズレが生まれる理由になっている。
除数は、その都度調整される
「株価を足して割るだけ」だと、株式分割(1株を複数に分けること)が起きたときに、実態は変わっていないのに指数だけがガクンと動いてしまう。それを防ぐため、分割や銘柄の入れ替えがあるたびに、割る数(除数)を調整して連続性を保っている。数字が急に途切れないよう、裏で微調整されていると考えればいい。
補足
ダウ平均は「有名な30社の元気度」、S&P500は「市場全体の平均」。どちらも米国株のものさしだが、測っているものが少し違う。ニュースで両方の名前が出てきたら、「ダウは大企業寄り・株価の高い銘柄に振られやすい」と思い出すと、数字の意味が立体的に見えてくるはずだ。
S&P500の仕組みはS&P500とはで、もうひとつよく聞くハイテク寄りの指数はナスダック100とQQQとはで解説している。
