コカ・コーラと聞けば、あの赤いラベルの炭酸飲料が浮かぶ。世界中で飲まれている、飲料メーカーの代表格だ。
だが、コカ・コーラの利益の作り方は、少し意外だ。この会社は「飲み物を大量に製造して売る会社」というより、ブランドと世界の流通網で稼ぐ、身軽な会社に近い。
工場は、多くを自分で持たない
コカ・コーラ本体が主に手がけるのは、味の決め手となる原液(シロップ)とブランドだ。その原液を、世界各地の「ボトラー」と呼ばれる提携企業に売る。実際に水と混ぜ、缶やペットボトルに詰め、店やレストランへ配るのは、多くをそのボトラーが担う。
つまり、重い設備投資や大量の物流を、自社で全部抱え込まない。だから売上のわりに手元に残る利益が厚くなりやすい。「レシピと看板を持ち、製造は任せる」——これがこの会社の身軽さの正体だ。
ブランドと、棚の確保
コカ・コーラの本当の堀は、世界中で知られたブランドと、店の棚や自販機を押さえる力にある。
新しい飲料メーカーがどれだけ良い商品を作っても、世界の隅々の店頭にまで並べ、認知してもらうのは容易ではない。コカ・コーラは長い年月をかけて、その認知と流通の網を築いてきた。だから価格を少し上げても客が離れにくく、利益を守りやすい。
この安定した利益が、何十年も配当を増やし続けてきた原資になっている(連続増配株の代表格だ)。
崩れるとしたらどこか
このモデルが崩れるとしたら、方向はいくつかある。
ひとつは、健康志向で砂糖入りの炭酸飲料が敬遠される流れが強まる場合。もうひとつは、砂糖や糖分への課税・規制が各国で広がる場合だ。コカ・コーラは水やお茶、無糖飲料へと商品を広げて備えているが、主力の性格が変わっていく可能性はある。加えて、売上の多くが海外なので、円高ドル安のような為替の逆風も業績に効く。
まとめ
コカ・コーラを「炭酸を売る会社」として読むと、健康志向とともに縮む会社に見える。だが「ブランドと流通を握る身軽な会社」として読むと、なぜ利益が厚く、配当を長く増やせてきたのかが見えてくる。
数字を追う前に、この「レシピと看板で稼ぐ」構造を意識してみると、同社の安定感の理由がつかめるはずだ。
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