金曜の米国株は続落した。ナスダック -1.40%、S&P 500 -1.01%、ダウ -0.77%。値がさのハイテクほど重かった。
この日の主役はネットフリックスだった。四半期決算は利益こそ小幅に予想を上回ったが、売上高が予想に届かなかった。続く期の見通しも慎重で、高すぎた期待の反動から株価は7%超下げた。
相場を押し下げた理由は一つではない。ネットフリックスの失望に、中東緊張による原油高と、二日目に深まった半導体売りが重なった。
3つのポイント
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半導体売りが二日目に深まった:前日のTSMCの投資増額に続き、この日はチップ売りがさらに強まった。製造装置のアプライド・マテリアルズは5%超下げ、ナスダックが主要指数で最も沈んだ。
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AIが設計ソフト抜きでチップを作った:中国のAI「Kimi K3」が、専用の設計ソフトを一切使わずにチップ設計を48時間で自動でやり遂げたと伝わった。牙城を脅かされたケイデンスは9%超、シノプシスも8%近く急落した。
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原油高でエネルギーと保険に資金が向かった:中東情勢の緊迫で原油がバレル80ドル超へ上がり、シェブロンが逆行高となった。災害保険金が減ったトラベラーズは決算が予想を大きく上回り、9%超高でこの日の大型株の主役になった。
補足
決算が明暗を分けた。手術支援ロボットのインテュイティブ・サージカルは、売上高が予想を上回ったのに14%急落した。米国での手術件数の伸びが鈍り、経営陣が需要の減速を認めたためだ。アルミのアルコアも、決算未達と減産見通しで6%超下げた。
決算以外の材料も動いた。コカ・コーラは傘下の乳業がサイバー攻撃を受け、米国の生産を止めて4%近く安。破産観測を明確に否定した新興EVのルーシッドは14%近く急反発した。なおAIによるチップ設計は旧世代の工程での実演で、最先端では設計ソフト大手の優位はなお厚いとの見方もある。
深掘り
この日の重要テーマは、個別の記事に切り出した。
- AIが48時間でチップ設計 ── 設計ソフト2強の「堀」が揺れた日 — ケイデンス・シノプシス急落の裏にある業界の地殻変動
- 原油はバレル80ドル超へ ── ホルムズ海峡リスクとシェブロンの迂回検討 — エネルギー株高と長期化する地政学リスクの読み方
- 売上は予想超えでも14%安 ── 手術支援ロボの成長神話に踊り場 — 米国の手術件数の減速が医療機器の高評価を揺らす
- 災害の静けさが利益になる ── トラベラーズ急騰が示した損保の追い風 — ハイテク売りの金曜に資金が向かった先
- ランサムウェアが牛乳を止めた ── 食品サプライチェーンが標的になる時代 — フェアライフ生産停止と防御側への波及
