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sodate Daily ・ 2026.08.015分で読める ・ sodate 編集部

アマゾン15%高、アップル7%安。分けたのはメモリ契約残高

金曜の米国株は大型テックの決算で明暗が割れた。アマゾンはクラウドの伸びが37%へ加速し、契約残高$496Bを示して15.32%高。対するアップルは、売上もiPhoneも好調なのに次の四半期の利益率の見通しが弱く7.35%安となった。理由はメモリと先端半導体の供給制約で、今週メモリ株を押し上げた「不足は2028年まで」が、最大の買い手の側にコストとして跳ね返った形だ。日銀は据え置いたが、声明に利上げの意思を書き込んだ。

アマゾンの拠点。クラウドの伸びが37%へ加速し、金曜は15.32%高となった
SounderBruce · CC BY-SA 2.0

金曜の米国株は、指数だけ見れば穏やかだった。ナスダックが1.00%高、S&P 500が0.70%高、ダウが0.53%高。だが中身は大型テックの決算で真っ二つに割れている。

アマゾンは15.32%高。木曜の引け後に出した決算で、クラウドのAWSの売上が$42.2Bと前年比37%増になり、18四半期ぶりの高い伸びを記録した。利益率も39.4%へ改善し、全社の売上・営業利益とも会社自身の見通しの上限を超えた。

同じ夜、アップルの決算も出ている。こちらは売上$109.4Bで16%増、iPhoneが22%増、粗利率50.1%と、終わった四半期の数字はむしろ好調だった。それでも7.35%安。売られたのは、次の四半期の粗利率の見通しが47〜48%と、実績から2ポイント以上落ちる内容だったからだ。

3つのポイント

  1. アップルを削ったのはメモリだった:粗利率が下がる理由について、ティム・クックはメモリと先端半導体の供給制約が「非常に大きい」と説明し、DRAMの需給を「100年に一度の洪水」と表現した。需要が弱いのではなく、部品が高くて足りない。今週メモリ株を押し上げたサムスンの「不足は2028年まで続く」という見立ては、買い手の側から見れば原価の上昇そのものだ。同じ事実が、売る側の株価を上げ、買う側の株価を下げた。

  2. 設備投資は「額」ではなく「裏付け」で見られた:アマゾンは2026年の設備投資を約$200Bから約$220Bへ引き上げている。それでも買われたのは、AWSの契約残高が$496B(平均残存6.4年)あると示したからだ。木曜のマイクロソフトの受注残$678Bと同じ構図で、投資の隣に契約の山が並んだ。ハイパースケーラー4社の2026年の設備投資計画は合計$720〜745Bに達するが、市場は今週、その額を怖がるのをやめて裏付けを数えはじめた。

  3. 金利上昇を株が無視した:朝方に出た雇用コスト指数が前期比0.9%増と市場予想を上回り、10年債の利回りは4.73%と2025年1月以来の高さ、30年債は5.26%と2007年以来の水準まで上がった。普通なら株の重石になる動きだが、大型テックは上げた。しわ寄せは金利に弱い小型株に出て、ラッセル2000だけが0.50%安と取り残されている。

アルファベットの6.88%高は、この日に材料があったわけではない。7月22日の決算で設備投資の引き上げと現金収支の赤字が嫌われ、翌日に7%超売られていた分の戻りだ。マイクロソフトとアマゾンが「AI投資には需要の裏付けがある」と示したことで、同じ決算の読み方が1週間で反転した。ネットワーク機器のアリスタも、自社の決算は来週なのに5.46%高となっている。

一方、マイクロンは5.90%安と反落した。前日の18.36%高の反動に加えて、アップルのクックが決算説明会で「供給者がもっといれば、供給の面でも価格の面でも助かる」と調達先を増やす意思を公言したことが響いた。売り手の強気と、買い手の反撃が同じ週に出てきた。

中型では急落も目立った。ロブロックスは26.85%安。次の四半期の予約が上場以来はじめて前年割れになる見通しを示し、通年の見通しの提示自体を取りやめた。レディットは20.99%安で、売上は61%増と大きく伸びたのに、米国の利用者数が前の四半期から減り、会社自身が「検索経由の流入が不安定だ」と認めたことが売られた。

日本では日銀が政策金利を1.0%に据え置いた。ただし反対票が1つ出て、声明には「政策金利を引き上げていく」と書き込まれ、物価が来年度後半に2%を明確に上回るという見通しも示された。ドル円は158.07円と円高が続いている。木曜の急騰は政府・日銀の介入によるものとみられ、規模は8.2兆円程度と推計された。金曜には米財務省がニューヨーク連銀を通じて銀行に介入の可能性を伝えたとも報じられており、日米が足並みをそろえた形になる。

今週は、AIへの疑いが月曜に噴き出し、木曜の決算で反証が出て、金曜に「では誰が得をして誰が損をするのか」という仕分けまで進んだ5日間だった。メモリの高値は作る側の利益で、使う側の原価になる。同じ数字を、立場によって反対から読む作業が始まっている。