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マイケル・セイラー
Michael Saylor
Strategy[MSTR]
時価総額 $33.6B創業者

会計処理の和解から、通貨の伝道師へ

マイケル・セイラーMichael Saylor

共同創業者・エグゼクティブチェアマン生年 1965米国・ネブラスカ州リンカーン
2026.08.265 分で読める

37年前に作ったソフトウェア会社を、2020年からビットコインを買い続ける会社に作り替えた。かつて会計処理を巡りSECと和解した経歴を持ち(不正の意図は認めず)、いまは自ら退いてCEOを譲り、資金調達に専念している。

暗号資産創業者

経営の一貫性

sodate 独自指標
総合スコア
29
立て直し中

数字の規律は、これからが正念場。

直近 10 年の数字より
売上の伸び0
利益率の規律0
資本配分の規律88
売上 平均伸び
-0.8%±3.4pp
営業利益率
-193.9%±342.8pp

マイケル・セイラー 体制を含む過去の数字。売上成長率の標準偏差・営業利益率の標準偏差・配当規律の 3 軸を平均。 言葉の一貫性 (過去 10-K テキスト比較) は Phase 2 で追加予定。

この記事の流れ(全5章)
  1. 01ソフトウェアの会社を、24歳で作った
  2. 02一日で株価が6割消えた過去
  3. 032020年、会社の性格をまるごと変えた
  4. 04持っている資産より、会社の値段が安い
  5. 05この人を通して数字を読むなら

セイラーが率いる会社は、いまソフトウェアをほとんど売っていない。持っているビットコインの量で語られる会社になった。

数字で読む
会社を作ってから
37
1989年、24歳のとき
時価総額
$32.0B
2026年8月時点
保有ビットコイン
843,775BTC
2026年7月26日時点、取得額は約$63.69B
株価の年初来
-40.4%
2026年、52週高値からは-76.7%
01

ソフトウェアの会社を、24歳で作った

セイラーは 1965 年、米国ネブラスカ州で生まれた。父は空軍の軍人で、各地の基地を転々として育っている。

大学は名門マサチューセッツ工科大学で航空宇宙工学を学んだ。卒業後は民間企業でシステム開発に携わる。

1989 年、24 歳のときに仲間と会社を作った。企業向けの分析ソフトを売る、いまのストラテジーの前身である。

会社は着実に育ち、1998 年に株式を公開した。ドットコム景気にも乗り、株価は一時 1 株 $333 まで駆け上がっている。

  1. 1965
    米国ネブラスカ州で生まれる
    父は空軍軍人
  2. 1983
    マサチューセッツ工科大学に入学
    航空宇宙工学を専攻
  3. 1989
    24歳で会社を創業
    企業向け分析ソフトを扱う
  4. 1998
    株式を公開
    株価は一時$333まで上昇
  5. 2000
    会計処理を巡りSECと和解
    経営陣に制裁金、株価は1株$33まで急落
  6. 2020
    余剰資金でビットコインの購入を開始
    会社の方針を大きく転換
  7. 2022
    CEOを退き、エグゼクティブチェアマンへ
    日々の経営は後任に譲る
  8. 2025
    社名を「Strategy」に変更
  9. 2026
    保有ビットコインが世界の企業で最大規模に
02

一日で株価が6割消えた過去

会社が急成長していた 2000 年、思わぬ形で歯車が狂う。米証券取引委員会が、売上の計上方法を問題視した。

3 年間で計上した売上のうち、約 $66M が前倒しで計上されていたと認定された。契約がまだ固まっていない段階の取引が含まれていたためだ。

株価は 1 日で 6 割以上下げ、その後の決算訂正の発表でさらに沈んだ。ピーク時 $333 だった株価は $33 まで落ち込んでいる。

経営陣は複数の取引で、収益を実態より早く計上していた

米証券取引委員会の発表(2000年)

セイラーを含む経営陣 3 人は不正の意図を認めないまま和解し、制裁金と返還金の支払いに応じた。この経験は、長く経営者としての評判に影を落とした。

03

2020年、会社の性格をまるごと変えた

長年、ストラテジーは地味な分析ソフトの会社だった。転機は 2020 年、余った現金の置き場所として、ビットコインを買い始めたことだ。

最初は自己資金の範囲だった。やがて社債や優先株を次々に発行し、集めた資金のほとんどをビットコインの購入に充てる会社に変わっていく。

ソフトウェア会社が、ビットコインを買う機械に変わった道のり
本業の分析ソフトで現金を得る
四半期の売上は約$120M台
株式や優先株を発行して資金を集める
配当利回りの高い優先株を複数用意
集めた資金でビットコインを買い増す
2026年7月26日時点で843,775BTC
保有額の増減が株価を直接動かす
会計上、時価の変動をそのまま損益に計上
優先株の種類はSTRK・STRF・STRC・STRD・STRE など複数ある

2026 年 4〜6 月期には、ビットコインの評価損だけで $8.32B を計上した。前年の同じ時期は逆に $14.05B の評価益を計上していた。

本業の分析ソフトは前年比 6.9% 増の $122.4M で、堅調ではある。ただし会社全体の損益を左右するのは、もはやこの本業ではない。

04

持っている資産より、会社の値段が安い

ストラテジーの時価総額は $32.0B。一方で保有するビットコインの評価額は、それを上回る規模になっている。

本来なら、保有資産の価値と会社の株価はおおむね一致するはずだ。だがいまの株価は、資産の価値に対して 6 割前後の水準まで下がっている。

会社の値段が、持っている資産の価値を下回っている
時価総額$32.0B保有ビットコインの評価額$54.77B2026年7月26日時点。取得額$63.69Bに対する評価額は市況で変動
mNAV(市場価格÷保有ビットコインの評価額)は2026年8月時点で1倍を下回る水準

この状態になると、新株を発行してビットコインを買い増す従来のやり方が機能しにくくなる。発行するほど、既存株主の取り分が薄まってしまうためだ。

さらに、指数会社が暗号資産を多く持つ企業を主要な指数から外す案を検討している。実現すれば、指数に連動する資金からの売りが出る可能性がある。

05

この人を通して数字を読むなら

セイラーは、会社をほぼ丸ごとビットコインへの賭けに作り替えた経営者だ。良いときは資産の急増がそのまま株価を押し上げ、悪いときは評価損がそのまま重荷になる。

自らはCEOを退き、日々の経営は後任に譲った。それでも資金調達の方針を決めているのは、いまもセイラー本人である。

だからストラテジーの株を見るときは、ビットコインの値動きそのものより、優先株の配当をきちんと払い続けられるかを見るとよい。

配当の原資は本業の売上ではまかないきれず、新たな資金調達か、資産の一部売却に頼る構えになっている。この綱渡りが崩れるかどうかが、次の分かれ目になる。

出典:

  • U.S. Securities and Exchange Commission, Litigation Release No. 16829「Michael Jerry Saylor, Sanjeev Kumar Bansal and Mark Steven Lynch」— https://www.sec.gov/enforcement-litigation/litigation-releases/lr-16829
  • U.S. Securities and Exchange Commission, Press Release 2000-186 — https://www.sec.gov/news/press/2000-186.txt
  • CoinDesk「Bitcoin holding firms Strategy and Metaplanet face stock-index exclusion under MSCI's new proposal」(2026年8月14日) — https://www.coindesk.com/markets/2026/08/14/bitcoin-holders-strategy-and-metaplanet-face-stock-index-exclusion-under-msci-s-new-proposal
  • TheStreet Crypto「Michael Saylor Touts $48 Billion Bitcoin Turnaround, But Can MicroStrategy's STRC Survive 2026?」— https://finance.yahoo.com/markets/crypto/articles/michael-saylor-touts-48-billion-160303599.html
  • StockStory「Why Strategy (MSTR) Shares Are Trading Lower Today」(2026年8月14日) — https://markets.financialcontent.com/stocks/article/stockstory-2026-8-14-why-strategy-mstr-shares-are-trading-lower-today
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