金曜の米国株は、指数だけ見れば静かな1日だった。
S&P 500が0.25%安の7,711.76、ナスダックが0.52%安の26,402.42。ダウはほぼ変わらずの53,559.99である。
動いたのは株の外側だった。金が2.25%安、銀が3.39%安、ビットコインが3.45%安。逃げ場として買われてきた資産が、そろって売られている。
ウォーシュFRB議長が「まだやることがある」と言った
きっかけはワイオミング州ジャクソンホールでの講演だった。
ケビン・ウォーシュFRB議長は、この会合に議長として初めて登壇した。最近の統計でインフレがいくらか和らいだことは認めつつ、「根本的な流れが意味のあるかたちで改善したとは言えない」と述べている。ワシントン・ポストによれば、中央銀行には「まだやることがある」とも語った。
次回の会合で利上げする、とは言っていない。それでも市場は先を織り込んだ。
9月に0.25%の利上げがある確率は、前日の35%から57%へ跳ねた。10年債の利回りは4.72%まで上がり、ドル指数も0.51%高い。
売られたのは株より金と暗号資産。金は2.25%安
金利が上がる見通しは、利息を生まない資産にいちばん重くのしかかる。
金は$4,506.20で2.25%安、銀は3.39%安。金鉱山会社にも波及し、ニューモントが3.26%安、アグニコ・イーグル・マインズが4.27%安である。
暗号資産も同じ向きに動いた。ビットコインが3.45%安、ソラナは5.18%安。ストラテジーが7.34%安、コインベースが6.33%安と、関連株の下げのほうが大きい。
小型株も弱かった。ラッセル2000は1.39%安で、指数のなかで下げ幅が最大である。借入で回す会社ほど、金利の前提が変わると効く。
一方で買われた側もある。金利が上がれば利ざやが広がる銀行で、バンク・オブ・アメリカが1.88%高、JPモルガン・チェースが0.96%高だった。
半導体は金利ではなく関税で下げた。アーム6.33%安
同じ日に、半導体だけは別の材料で売られている。
米政権が半導体の関税をチップ本体から完成品へ広げる検討に入った、とCNBCなどが報じた。対象にはデータセンター向けサーバー、ノートPC、ゲーム機が挙がっている。1月の25%関税に付いていたデータセンター向けの除外措置も、引き継がれない可能性があるという。
ARMARM Holdings▼6.33%
LRCXLam Research▼5.24%
KLACKLA Corporation▼4.48%
AMATApplied Materials▼4.29%
NVDANVIDIA▼4.57%
アーム・ホールディングスが6.33%安で超大型株の下落率首位、ラムリサーチが5.24%安、KLAが4.48%安、アプライド・マテリアルズが4.29%安である。
エヌビディアも4.57%安と、前日の8.74%高の半分以上を戻した。決算の翌日に、材料が入れ替わった格好になる。
上げた超大型株はアマゾン。GPUを300万個に増やした
指数に逆らって上げた筆頭がアマゾン・ドット・コムの3.97%高だった。
AWSがエヌビディアのGPUをさらに200万個追加すると発表し、3月に示した100万個超と合わせて確約は300万個規模になる。3月の枠は想定より早く埋まったという。
セクターは8つが下落。素材が2.02%安で最下位
11セクターのうち下げたのは8つだった。
- 生活必需品▲0.33%
- コミュニケーション・サービス▲0.11%
- 一般消費財▲0.11%
- 金融▼0.19%
- 不動産▼0.24%
- エネルギー▼0.57%
- 公益事業▼0.74%
- 資本財▼1.50%
- ヘルスケア▼1.88%
- 情報技術▼1.96%
- 素材▼2.02%
最下位は素材の2.02%安で、金価格の下落が金鉱山会社に効いている。情報技術が1.96%安、ヘルスケアが1.88%安と続いた。
上げたのは生活必需品の0.33%高、コミュニケーション・サービスと一般消費財の0.11%高だけである。守りに寄った並びだった。
