原油相場が一段高となり、バレル80ドル超と1カ月ぶりの高値を付けた。米政府がイラン産原油の販売を認める許可を取り消し、その取引停止の期限が7月17日に迫っていたことに加え、ホルムズ海峡の周辺では船舶への攻撃が続く。世界の原油のおよそ2割が通るこの海峡の不安が、相場に上乗せされている。
シェブロンの「迂回」検討
象徴的な動きがシェブロンから出た。同社はイラク南部の2つの油田への参画に向けた予備合意を結び、あわせてイラクからシリアの地中海岸へ原油を運ぶパイプラインを検討する企業連合に加わった。実現すれば、イラク産原油をホルムズ海峡を通さずに輸出できるルートになる。
まだ拘束力のない覚書の段階で、実現には年単位の時間がかかる。それでも石油メジャーが海峡の迂回に本腰を入れ始めたこと自体が、「ホルムズ・リスクは長期化する」という業界の読みを物語る。
市場への波及
エネルギー株には追い風だ。シェブロンはこの日2%近く上昇し、液化天然ガス輸出のベンチャー・グローバルは8%超高。ハイテク売りで沈む相場の中、エネルギーは数少ない資金の逃げ場になった。
一方で原油高は、落ち着きつつあった物価を再び刺激しかねない。ガソリン価格を通じて消費を圧迫し、利下げ期待を後退させる経路もある。見ておくべきは、原油が80ドル台に定着するかどうか、そして海峡の緊張が実際の供給停止へ発展するかどうかだ。
出典: Motley Fool(7/17・シェブロン、ホルムズ海峡を迂回するパイプラインを検討) / Seeking Alpha(7/17・シェブロン、イラク産原油のホルムズ迂回を検討=WSJ報道) / Investing.com(7/7・米国、イラン原油販売の一般許可を取り消し)
