ハイテクが売り込まれた金曜、逆へ動いた銘柄がある。損害保険大手のトラベラーズだ。四半期の純利益は前年比46%増の約$2.2Bと市場予想を大きく上回り、株価は9%超高。52週高値を付け、この日の大型株の主役になった。
なぜ利益が急増したのか
最大の要因は災害の静けさだ。暴風雨などによる災害関連の保険金支払いは$518Mと、前年同期の$927Mからほぼ半減した。過去に積んだ引当金の見直しも利益を押し上げ、保険の引受と資産運用がそろって好調だった。
もう一つが料率の規律だ。損保業界は数年かけて保険料率を引き上げてきた。その値上げが浸透したところへ災害の穏やかな四半期が重なると、利益は一気に膨らむ。CEOのシュニッツァー氏は、値下げで成長を追うことを「愚か者のやること」と退け、料率を守る姿勢を強調した。
業界全体の追い風
この構図は1社の話ではない。同業のオールステートやプログレッシブもこの日そろって上昇した。半導体売りと決算失望で沈む相場の中、業績が景気やAI投資に左右されにくい保険は、数少ない資金の逃げ場になった。
何を見ておくべきか
注目は2つ。まず7〜9月期は大西洋のハリケーンが最盛期で、災害次第で利益は大きく振れる。次に成長の鈍さだ。規律を優先した結果、保険料収入は前年から横ばいで、個人向けは8%減った。値上げの追い風が一巡した後に何で伸びるのか、続く同業の決算で業界全体の答え合わせが進む。
出典: Yahoo Finance(7/17・トラベラーズ、災害保険金の減少で決算が予想を上回り株高) / Insurance Journal(7/17・トラベラーズ、災害減少と引当金の好転で純利益46%増) / Benzinga(7/17・トラベラーズCEO、値下げによる成長追求を否定) / Motley Fool(7/17・半導体売り深まる中、保険株は逆行高)
