売上が予想を上回ったのに、株価は14%急落した。手術支援ロボット「ダビンチ」のインテュイティブ・サージカルのQ2決算は、売上高が前年比18.5%増の$2.89B。数字は好決算だが、市場が反応したのは経営陣が認めた「米国の手術件数の伸びの鈍化」だった。
なぜ好決算で売られたのか
米国での手術件数の伸びは12%と前の四半期の14%から減速し、約3年ぶりの低い水準になった。背景には保険制度の変化がある。コロナ期に拡充されたオバマケア(ACA)の保険料補助が切れ、保険を手放す人が増えた。病院最大手のHCAヘルスケアも今週、手術需要の軟化と無保険患者の増加を指摘したばかり。一部装置の自主回収も重なり、「手術は景気や制度に左右されない」という成長の前提が揺れた。
独走が当たり前ではなくなる
もう一つの文脈は競合だ。ダビンチは世界で1万台超が稼働し市場をほぼ独占してきたが、昨年12月にメドトロニックの手術ロボット「Hugo」が米国で泌尿器科向けに承認され、適応拡大の申請も進む。独走を前提に業界平均を大きく上回ってきた予想PERが、成長鈍化と競合の登場で正当化しにくくなっている。
何を見ておくべきか
警戒は業界にも広がり、この日はストライカーやボストン・サイエンティフィックも下げた。会社側は通期の手術件数の伸びを13.5〜15.5%と見込むが、保険補助切れの影響はまだ定量化できていない。売られ過ぎとの声もあるだけに、次の四半期で件数の減速が止まるかが最初の試金石になる。
出典: StockStory(7/16・インテュイティブ・サージカル、売上増でも株価下落) / U.S. News=ロイター(7/17・オバマケア懸念が医療機器の需要論争を再燃) / Invezz(7/17・決算超過でも手術件数見通しで株安) / Motley Fool(6/8・メドトロニックはインテュイティブの牙城を崩せるか)
