S&P 500とダウがそろって最高値を更新した火曜、大型株で2番目に下げたのはアプティブの16.62%安だった。$47.72は52週安値にあたる。
決算そのものは市場予想を上回っている。4〜6月期の1株利益は$1.63で、予想の$1.42を$0.21超えた。
$1.63の実績と、$5.60〜5.80の見通し
売られた理由は、その先にある。7〜9月期の1株利益を$1.25〜1.35と示したのに対し、市場の予想は$1.61だった。通年では利益が$5.60〜5.80(予想$6.16)、売上が$12.6〜12.8B(予想$14.4B)。
売上の差が特に大きい。$14.4Bの予想に対して上限が$12.8Bなら、市場が思っていたより1割以上小さい会社ということになる。1四半期の利益が$0.21上振れたことは、この差を埋めない。
前号のマリオットと同じ形
この形は前日にも見た。マリオットは1株利益$3.19と予想の$3.09を上回りながら、売上未達と7〜9月の見通しの弱さで6.97%安になっている。
決算が「予想を上回った」と報じられても株価が下がるとき、たいてい見ているのは同じ場所だ。終わった四半期の利益は、費用の削減や一時的な要因でも作れる。次の四半期以降の見通しは、会社が自分で持っている受注と価格の情報から出てくる。市場が重く見るのは後者になる。
決算の見出しは「予想を上回る/下回る」で書かれることが多い。この2社の例は、その見出しだけを追うと値動きが説明できなくなることを示している。
アプティブの見通しは、完成車の生産計画でもある
もう1つ、業種の事情も見ておきたい。アプティブは自動車の配線や電装、運転支援の部品を作る。売上は自動車メーカーの生産計画にそのまま連動する。
つまり見通しの引き下げは、アプティブ1社の問題というより、顧客である自動車メーカーの生産が想定より少ないという情報でもある。部品会社の見通しは、完成車メーカーの決算より先に出ることがあり、業界の温度計として読める場合がある。
この日の下げが自社固有の話なのか、業界全体の減速の予告なのか。それは今後発表される完成車側の数字と突き合わせて初めて分かる。