火曜の情報技術セクターは3.44%高で、11セクターの首位になった。中身を見ると、上げているのは特定の1社ではない。
アームが17.36%高、インテルが10.84%高、サンディスクが10.84%高、デルが8.92%高。装置と部材でもエンテグリスが15.46%高、ファブリネットが16.47%高となっている。
使用料が2期続けて2倍という数字
この日いちばん明確な材料はアームにあった。同社はチップの設計を提供し、出荷されたチップ1個ごとに使用料を受け取る。JPモルガンは、データセンター向けの使用料収入が2四半期続けて前年比2倍を超えたことを挙げ、目標株価を引き上げたと報じられた。
アームの決算自体は7月29日に出ており、その時点の株価の反応は限定的だった。数字が変わったのではなく、数字のどこを見るかが変わっている。スマートフォン向けの減速に目が向いていた注目点が、データセンター向けの倍増に移った。
サーバー用のCPUを大手クラウドが自社設計する動きが続く限り、アームには設計料と使用料が積み上がる。半導体を「作る会社」ではなく「設計図を貸す会社」なので、工場の稼働率とは別の伸び方をする。
エンテグリス15.46%高が示すもの
もう1つ見ておきたいのは、上げが裾野に届いている点だ。
7月下旬、半導体は4日で大きく売られ、週初からの時価総額の消失は$1Tを超えたと報じられた。売りの理由は「中国の増産で値崩れする」という筋書きで、その反証として先週サムスン電子の「メモリの供給制約は2028年まで続く」という発言が出ている。
この日はエンテグリスやファブリネットのような部材・光部品まで上げた。完成品を作る会社だけが戻る局面は期待だけで動きやすいが、装置や部材まで戻るときは、実際の発注が動いていることが多い。裾野の広さは、戻りの質を測るひとつの目安になる。
$1T消えた分の、まだ途中
ただし、これは戻りであって新高値ではない。7月下旬の下げが深かったぶん、率が大きく見えている面がある。
半導体の売りの前提だった「中国の増産」も、消えたわけではない。供給制約が2028年まで続くという見方と、増産で値崩れするという見方は、まだどちらも生きている。この2つのどちらが正しかったかは、次の四半期のメモリ価格ではっきりする。
