AIの計算には膨大な電気がいる。フェルミはその電気を「自前の発電網ごと」用意してAI企業に貸す、という一点に賭けてきた会社だ。構想は大きいが客はいない — その評価がこの日、変わった。
15年契約が意味するもの
テキサス州で建設中の開発拠点に、AI基盤企業テンソルウェーブが最初のテナントとして入る。契約は15年で総額約$6.5B、さらにデータセンター2棟分の拡張の権利も含む。
発電能力を長期で借り切る契約が付いたことで、「電気を作って貸す」という事業モデルに初めて実際の需要の裏付けができた。売上の無い会社の株価は思惑で動くが、長期契約は思惑を数字に変える。
「電気を受け取る側」への資金の流れ
この日は、AIに金を出す側の大型テックが売られる一方で、その投資を受け取る側が買われた。装置株と並んで、電力側のGEヴェルノバも2.12%高と続伸している。
AIの勝者を当てるのではなく、勝者が必ず払う電気代の受け取り手を狙う — この見立てはデータセンター電力のテーマ特集に整理してある。フェルミの契約は、その筋書きの最も若い実例になった。
