オンは「雲の上を走る感覚」を売りにしたスイス発のシューズブランドで、高価格帯でも売れる勢いを背景に、市場では常に高い成長率を織り込んだ値段が付いてきた。その前提がこの日、会社自身の手で引き下げられた。
2割の下げは「成長株の値段の作り方」の裏返し
決算では売上が市場予想に届かず、通期の売上成長の見通しは「23%以上」から「20%台前半」へ下がった。数字だけ見れば、なお2割成長である。それでも株価が1日で2割下げたのは、成長株の値段が「今の利益」ではなく「先の成長率」に大きく掛かっているからだ。成長率の見通しが動くと、株価はその何倍も動く。
理由として挙がったのは米国の卸売り向けの減速、関税によるコスト増、そして消費の弱さだ。高くても売れてきたプレミアム価格帯にも、財布のひもの固さが及びはじめている。
同じ日に、見通しを引き上げた東南アジア通販のシーが15%近く買われており、「高成長株の決算」への市場の採点が、見通しの上げ下げでくっきり分かれた1日だった。