火曜の米国株は、指数だけ見れば静かだった。S&P 500は0.32%安、NASDAQは0.60%安。
ところが中身は割れていた。AIに金を出す側が売られ、受け取る側が買われた。
売られたのは、金を出す側
アルファベットは3.84%安。今年の設備投資の計画を$195B〜205Bへ引き上げたばかりだ。
投資がかさみ、手元に残る現金は四半期として初めてマイナスになった。そこへ大きな社債発行が重なる。「借金をしてまでAIに突っ込むのか」という受け止めが、売りを呼んだ。
オラクルには良い知らせがあった。同社が主導する連合によるTikTok米国事業への出資を、政権が認めたのだ。
それでも株価は3.69%安。データセンターを借金で建てる筆頭格として、売りに巻き込まれた。良い知らせに反応しない値動きは、警戒の根深さを示す。
AIサーバーのデルも同じ幅で下げた。売上が伸びるほど利益率が下がる、という採算への疑問を証券会社が突いた。
装置株は逆行高、ASMLが3.80%高
買われたのは、金を受け取る側だ。
きっかけは受託製造最大手TSMCの7月売上。前年から45%近く増え、半導体を作る機械への投資が続くことを裏付けた。
製造装置のASMLは3.80%高。証券会社が装置需要の予測を引き上げたことも追い風になった。ラムリサーチも1.64%高と続く。
検査装置のオント・イノベーションは9.76%高。同業の記録的な受注が連想を呼んだ。AIの電力を担うGEヴェルノバの続伸も、同じ文脈にある。
小型株のラッセル2000だけ0.32%上昇
もうひとつの分かれ目は、会社の大きさだ。大型株が売られる中、小型株のラッセル2000だけが0.32%上げた。
決算への素直な反応も続いている。消費者データのNIQは見通しの引き上げで41.95%高。東南アジア通販のシーも14.56%高と買われた。
翌朝には7月の物価統計が控える。金利は10年債で4.7%近辺と落ち着いたまま、様子見も強い1日だった。
指数の静けさにだまされない方がいい。AIの金をめぐる選別は、日ごとにはっきりしてきている。
