ウーバー・テクノロジーズが、およそ3,300人を減らすと発表した。従業員の約10%にあたる。
同社としては2020年5月以来の規模になる。当時は行動制限で配車の需要が消え、約6,700人、全体の4分の1近くを削っている。
理由に挙げられたのは、AIではなく階層だった
ダラ・コスロシャヒCEOが社員に送った文書は、削減の理由を組織の複雑さに置いている。
管理の階層が多く、チームが分かれすぎていて、意思決定が遅い。だから「もっと簡単に、もっと速く」動けるようにする——というのが説明の骨子だ。
この1年、人員削減の説明にAIを持ち出す経営者が続いた。ウーバーの文書にAIは出てこない。
同じ削減でも、理由が「AIが仕事を置き換えた」なのか「採りすぎた」なのかで、投資家が読む意味は変わる。前者なら費用は構造的に下がり、後者なら一度きりの調整になる。
完全在宅は全社の約1%までに絞る
削減とあわせて、世界の部門をニューヨークとサンフランシスコに集約する方針も示された。
多くの在宅勤務者には転居を求め、完全在宅の職は全社の約1%までに絞る。週3日出社の方針は維持する。
人数を減らすことと、残る人を1か所に集めることが同じ発表に入っている。組織の複雑さを減らすという説明とは、たしかに筋が通っている。
株価はこの1年で約8%下げている
ウーバーの株価はこの1年で約8%下げ、S&P 500に負けてきた。
理由の1つは、ウェイモのような自動運転の配車が北米での同社の地位を脅かすのではないかという懸念である。人手を減らして自動運転側に資源を振り向ける、という読み方もされている。
削減の発表当日に株価が1.61%高となったのは、費用が減ること自体が歓迎されたためだ。ただし削減で上がる株価は一度きりで、次に問われるのは配車1回あたりの利益が実際に増えるかどうかになる。
この日の市場全体の動きは朝刊にまとめている。

