カリフォルニア州議会は、山火事の賠償責任を扱う法案を成立させないまま閉会した。
ニューサム知事は、上場する電力会社から賠償の負担を外す枠組みを求めていた。議員の合意は得られなかった。
その翌日、PG&Eが投資計画を削った。
2027年の投資を$13.4Bから$11.4Bへ
会社が発表した2027年の設備投資は$11.4Bである。従来の$13.4Bから約$2B減る。
減らすのは工事の先送りによるものだと会社は説明している。安全に関わる工事の水準は維持したうえで、当面の資金調達の負担を軽くする狙いだ。
PCGPG&E▼5.19%
EIXEdison International▼6.14%
SRESempra▼0.56%
AEPAmerican Electric Power▲0.50%
同じカリフォルニアのエジソン・インターナショナルは6.14%安。一方でセンプラは0.56%安、アメリカン・エレクトリック・パワーは0.50%高で、他州の電力会社はほとんど動いていない。売られたのは業種ではなく、州である。
5年分の計画を出すのをやめた
株価に効いたのは投資額よりも、こちらの発表かもしれない。
PG&Eは、5年分の設備投資計画とレートベースの見通し、そして来年より先の利益成長率の提示を取りやめると述べた。事業の見直しが終わるまで出さないという。
電力会社は規制のもとで投資額に応じた収益を得る仕組みで動いている。だから5年計画は、投資家にとって将来の利益をそのまま数えるための土台になる。
その土台を引っ込めたということは、賠償の枠組みが決まるまで自分でも数えられない、という意味になる。
賠償に上限がないと、借入の金利が上がる
カリフォルニアには、電力会社の設備が火元になった場合に過失の有無を問わず賠償責任を負う仕組みがある。
賠償の上限がない限り、送電網を建てるための借金には高い金利が求められる。金利が高ければ工事の採算が合わず、費用は最終的に利用者の料金へ乗る。
会社が「賠償の枠組みが資金調達の費用を上げ、料金に響き、投資を制限している」と説明したのはこの連鎖のことだ。
次の会期までは5年計画が戻らない
投資の先送りは今回だけの措置とされている。ただ、見直しの結論が出るまでは5年計画が戻らない。
法案が次の会期でどう扱われるか、そのあいだに社債の格付けが動くかどうかが次の分岐点になる。8月末には複数の証券会社が投資判断と目標株価を引き下げている。
この日の市場全体の動きは朝刊にまとめている。
