レディットがグーグルとのAIデータライセンス契約の更新交渉で難航しており、AI向けのコンテンツアクセスを遮断することまで検討している──。WSJがそう報じた水曜、レディット株は8.3%安の$170.38まで売られた。出来高は普段の1.8倍。アルファベットも1.5%下げた。
育てたAIが、客を連れて行った
問題の契約は2024年2月、レディットの上場直前に結ばれた年約$60Mのもので、グーグルはレディットの投稿をAIモデルの学習と稼働に使える。当時は「眠っていたデータが収入になった」成功例だった。だが、そのデータで賢くなったグーグルのAI検索(AI Overviews)は、いまや検索結果のページ上で回答を完結させ、レディット本体への参照クリックを減らしている。データを売ってAIを育てたら、そのAIに客を奪われた──これが対立の構図だ。
レディット側は固定の年額ではなく、AI検索で自社の投稿が使われるほど支払いが増える従量型の料金体系を求めていると報じられた。「遮断」は交渉のカードである可能性も指摘されており、破談が決まったわけではない。ただしWSJは、USA TodayやPolitico、ロイター、エコノミスト、People Inc.もグーグルとの関係を再考中だと名指ししている。1社の駆け引きではなく、コンテンツを持つ側が一斉に値札を書き直し始めた、業界の流れとして読むべき話だ。
AIの原価に「データの仕入れ値」が入ってくる
アルファベットは同日引け後にQ2決算を発表し、売上・利益とも予想を上回りクラウドは82%増だった一方、四半期の設備投資$44.9B(前年の約2倍)が嫌気されて時間外で売られた。これは木曜の材料だが、文脈はつながっている。AIの原価はこれまでチップと電力の話だった。そこに、学習と検索に使うデータの仕入れ値が加わろうとしている。見ておくべきは、契約の期限と遮断が実行されるかどうか、そして従量型の料金が発行元の新しい標準になるかどうかだ。
出典: CNBC(7/22・「グーグルとのAI契約を更新しない可能性」でレディット急落) / Quartz(7/22・契約悪化報道と他の発行元の再考) / KuCoin News(7/22・$60M契約の期限と従量型の要求) / CNBC(7/22・アルファベットQ2決算、時間外はcapex懸念で下落) / Seeking Alpha(7/22・クラウド82%増もcapexが失望)
