前日、ダナハーとMSCIが「見通しの一行」で2桁売られた(決算に合格しても、見通しで落第にされる)。水曜はその採点基準が、さらに一段歪んで見えた日だった。見通しを上げた会社が売られ、下げた会社が最高値を付けたのだ。
上げてすら、足りない
発電機器のGEベルノバのQ2は、売上$11.1B(前年比22%増)で予想超え。受注は$24.2Bと自律ベースで88%増え、受注残は$176Bに積み上がった。通期見通しも売上を$45.5B〜$46.5Bへ、フリーキャッシュフローは$6.5B〜$7.5Bから$11.5B〜$12.5Bへ大幅に引き上げた。それでも株価は8.7%安の$985.03。
売られた理由は3つある。EPS $2.47が市場予想(約$3.1、集計により幅がある)に届かなかったこと。風力部門が受注40%減・四半期EBITDA赤字$275Mと弱点のままなこと。そして利益率の通期見通しだけは据え置いたことだ。Bloombergは「引き上げた見通しですら、高すぎるAI期待に衝突した」と整理した。データセンター向け受注は年初来$5B超と昨年通年の2倍を超えており、需要が弱いのではない。期待の置き場所が高すぎるのだ。
AIの看板がなければ、減額しても許される
対照的だったのが残りの2社だ。鉄道機器のワブテックは売上17.5%増・EPS21.6%増でともに予想を超え、通期を引き上げて10.0%高の$290、52週高値で引けた。フィリップ・モリスは四半期売上が初めて$11Bを超えた一方、通期の調整後EPS予想を$8.26〜$8.41へ小幅に下げた。為替だけが理由とはいえ今年3度目の減額だ。それでも株価は3.3%高の$194.30と、こちらも52週高値で引けている。
AIの看板を背負った銘柄は、見通しを上げてすら落第にされる。看板のない銘柄は、下げてすら合格をもらえる。決算週の採点表はいま、事業の中身より「AI期待の水準」で配点が決まっている。GEベルノバの受注残が$200B(会社は2027年到達を見込む)へ向かう実績が、この配点にいつ追いつくかが次の見どころだ。
