ナスダックが2.78%上がった日に、その主力の一角が8%近く下げた。メタである。
決算の表面は悪くない。売上は$60.8Bで前年比28%増と、広告事業は好調そのものだ。売られた理由は、その下の行にある。
AIインフラへの設備投資は四半期で$31.1Bと、前年のほぼ2倍。訴訟関連の費用$2.4Bも重なって費用全体が55%増え、営業利益率は43%から31%へ落ちた。1株利益は$6.18で前年比13%減、市場予想に届かなかった。そして自由に使える現金は$784Mまで細った。売上$60.8Bの会社としては、ほとんど手元に残らなかったことになる。仕上げに、通年の設備投資見通しの下限を引き上げた。
同じ夜の、正反対の決算
この決算が単独で出ていたら、下げはもっと穏やかだったかもしれない。だが同じ水曜の夜、マイクロソフトが正反対の決算を出した。あちらも設備投資は年間$115.9Bと巨大だ。それでも、クラウドの成長加速と受注残$678Bという「回収の数字」が隣に並んでいた。
比べられた結果が、木曜の値動きだ。マイクロソフトは15.51%高、メタは7.95%安。市場が罰したのはAI投資の額ではない。額に対して、いつどう回収されるのかの説明が追いついていないことだ。メタのAI投資は広告の精度向上という形で戻ってくるはずだが、それはAzureの受注残のように残高として見せられる性質のものではない。見せられる会社と見せられない会社の差が、そのまま株価の差になった。
「AIの勝ち組」の中で選別が始まった
今週前半の売りは、AI関連をひとまとめに売る動きだった。木曜の反転は、その一括りが解けた日でもある。回収を示せた会社は買い戻され、示せなかった会社は買い戻しの日にすら売られる。
メタの広告事業は依然として強く、投資が実を結べば取り返す力はある。ただ、8月に決算が続くAI投資組——アマゾン、グーグル、そして新興クラウド勢——は、この夜を境に「投資の額」ではなく「回収の証拠」で採点される。採点基準が変わったことが、この日いちばんの変化だ。
