決算は水曜の引け後に出た。売上$90.0Bで前年比18%増、1株利益も予想超え。だが株価を15.51%動かしたのは、その2つではない。
1つ目はAzureの加速だ。クラウドのAzureは前年比43%増。会社自身が示していた計画は39〜40%増だったから、目標を立てて、それを超えたことになる。年間売上は初めて$100Bの大台に乗り、次の四半期の見通しはさらに速い45%増を示した。減速を織り込みかけていた市場には、二重の不意打ちだった。
2つ目は受注残である。商用の受注残は前年比84%増の$678B。これは「これから請求書に変わる契約」の山だ。今週の相場を沈めてきた「AIへの投資は、売り手と買い手が身内で資金を回しているだけではないか」という疑いに対して、外部の顧客と結んだ契約の残高という、最も直接的な反証になっている。
設備投資$115.9Bでも買われた理由
皮肉なのは、マイクロソフトの設備投資そのものは巨大なことだ。年間$115.9Bと、前年の$64.6Bからほぼ倍増している。「AI投資が重い」という理由で売るなら、この会社こそ売られていておかしくない。
それでも買われたのは、支出の隣に回収の数字が並んだからだ。設備投資$115.9Bに対して、Azureの成長は加速し、受注残は$678B。支出が需要を追いかけている構図が読み取れる。同じ夜に決算を出したメタは、設備投資が前年の2倍に膨らむ一方で利益が予想に届かず7.95%安になった。市場はAI投資の額ではなく、額と回収の対応関係に値段を付けている。
1社の決算が相場の前提を変えた
この決算の効果は自社にとどまらなかった。AMDが13.00%高、インテルが11.30%高、装置や電源、造成まで、今週売られた「AIの配管」がほぼ全面的に買い戻された。ハイパースケーラーの投資が続くなら、その先にいる全員の受注が続くからだ。
もっとも、$678Bの受注残は「AIバブルではない」証明ではなく、「マイクロソフトの需要は実在する」証明にとどまる。借入で設備投資を賄う新興クラウドや、回収の遠い投資を続ける他社への疑いは、それぞれの決算で答えるしかない。8月に続く決算の並びが、その答え合わせになる。
