木曜の相場はAI関連の買い戻し一色だった。その裏側で、大型の製薬とバイオが静かに売られている。
いちばん深く沈んだのはアルナイラムの28.31%安だ。朝に出した4〜6月期は、主力薬アムブットラの売上が$1.01Bと前年比2倍を超え、初めて四半期$1Bの大台に乗った。それでも売られたのは、その数字が市場予想を約4%下回り、同時に通年の見通しを$4.4〜4.7Bから$4.2〜4.5Bへ引き下げたからだ。会社の説明は「発売初期にたまっていた需要が一巡し、伸びが平常に戻った」。倍増している売上が、減速の証拠として読まれた。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは3.66%安。前日の引け後、2件の買収を届け出た。1件は完了、もう1件は$2.58Bの買収オプションで、合わせて2026年の1株利益を約$0.64押し下げるとして、通年の見通しの中央値を$11.68から$11.04へ引き下げている。7月下旬に和解案の報道で6日続けて上げた直後だったこともあり、利益確定の売りが重なった。
マドリガルは71%増収でも9.83%安
マドリガルは9.83%安。売上は$364.3Mで前年比71%増と好調なのに、営業費用が$420.6M(前年$260.0M)へ急増し、純損失が拡大した。営業部隊の増強と広告への投資が理由で、成長のための支出であることは説明されている。それでも売られた。
イーライリリーは4.55%安。決算は8月5日でこの日は出ていないが、米国内の製造拡張に$750Mを追加投資すると発表した。工場を増やすのは需要が強い証拠でもあるが、この日の市場はそれを目先の現金の流出として受け取った。
メタと同じ採点基準が効いていた
4社に共通するのは、売上が伸びている点だ。それでも売られたのは、費用と見通しの側に目が向いたためだった。
これは同じ日にメタが7.95%安になった理由と、構造がそっくりである。メタも売上は28%増だったが、設備投資の膨張と利益の未達が嫌われた。逆にマイクロソフトは、巨額の投資の隣に受注残$678Bという回収の数字を並べて15.51%高になった。
業種は違っても、この日の市場は同じ物差しを当てていた。伸びているかどうかではなく、その伸びのために使う金がいつ戻るかを説明できているかどうか。AIも薬も、採点表は同じだった。
