アマゾンが15.32%高。木曜の引け後に出した決算の中身は、今週の相場が求めていたものそのものだった。
クラウドのAWSの売上は$42.2Bで前年比37%増。18四半期ぶりの高い伸びで、しかも加速している。営業利益率は前年の32.9%から39.4%へ改善した。全社では売上$200.6B、営業利益$27.5Bと、どちらも会社自身が示していた見通しの上限を超えている。
設備投資$220Bでも売られなかった理由
普通なら警戒されるはずの数字も同時に出ていた。2026年の設備投資見通しを、約$200Bから約$220Bへ引き上げたのだ。四半期だけで$54.2B(前年$32.2B)を使い、直近1年の自由に使える現金は流出超になっている。
7月22日にアルファベットが設備投資を引き上げたときは、翌日7%超売られた。同じことをしたアマゾンが15%上がったのは、隣に置いた数字が違ったからだ。
AWSの契約残高は$496B、平均残存6.4年。すでに顧客と結んだ、これから請求書に変わる約束の山である。木曜のマイクロソフトが示した受注残$678Bと合わせると、今週の市場は「AI投資は身内で資金を回しているだけではないか」という疑いに、契約の残高という形で2度反証を受けたことになる。
ハイパースケーラー4社の2026年の設備投資計画は、合計で$720〜745Bに達する。額そのものは去年より格段に大きい。それでも金曜の市場がその額を怖がらなかったのは、額の隣に裏付けを並べる作法が定着したからだ。
恩恵は自社の外にも及んだ
この決算は、アマゾンにデータセンターの機材を売る側にも効いた。ネットワーク機器のアリスタは5.46%高。自社の決算は翌週で、この日は何も発表していない。それでも上がったのは、売上の約4割をマイクロソフトとメタが占める会社にとって、大手クラウドの投資継続がそのまま受注の継続を意味するからだ。
もっとも、注意すべき点もある。アマゾンの純利益$62.6Bには、投資先の評価益など本業以外の収益が$53.4B含まれており、営業の実力をそのまま表す数字ではない。設備投資の重さは現金収支に確実に効いてくる。契約残高$496Bは強力なカードだが、それが実際に売上と利益へ変わるまでの数年間、投資の重さと需要の実現をつき合わせる作業は続く。
